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6年度の供用開始目標 サン・ファン号代替展示施設

 今年は東日本大震災から10年目で、県震災復興計画(平成23年度から10年間)の最終年度でもある。ハード事業は段階的に着々と進んできたが、新型コロナウイルスの影響などで工事の遅れも散見され、心の復興を含めた中長期的なソフト対応も残されたまま。4期目の任期満了まで1年を切った村井嘉浩知事は、山積する課題にどう向き合うのか。ポスト復興、コロナ対策など知事選を見据えながら「判断の年」が幕を開けた。(聞き手・外処健一報道部長)

※インタビューは全6回ですが、その中から1話を抜粋して紹介します。

―石巻市渡波にある慶長遣欧使節船ミュージアムの復元船「サン・ファン・バウティスタ号」は今年3月で展示を終了する。老朽化に伴い、解体方針が示されているが、石巻地方をはじめ、県内や海外からも原寸大での保存修復を求める声がある。村井知事はどう考えるか。

 原寸大での保存修復を求める声が寄せられたことについては、サン・ファン号への熱い思いを感じている。石巻地方にとどまらず、国内外の多くの皆さんに愛され、支えられてきたということを改めて感じている。

 復元船は建造後25年以上が経過し、また東日本大震災の影響もあり、必要強度が低下している。苦渋の決断ではあるが、木造船のまま修復、保存していくことは断念せざるを得なかった。このことは有識者会議や県議会でも議論していただいたところである。

 慶長遣欧使節の偉業を継承していきたいという思いは、私たちも同じ。現在の復元船の公開が終了した後も多くの人に愛され、魅力あふれる施設となるように、ミュージアム全体のリニューアルに取り組んでいく。

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4月以降の解体方針が示されているサン・ファン号

―解体にあたっては何かしらのセレモニーはあるのか。

 新型コロナウイルス感染対策で、多くの人を招くイベントは困難と思われるが、節目には何らかの式典のようなものを開催することが必要と考えており、詳細については関係団体と協議して方針を定めたい。

―4月以降の解体や代替展示整備のスケジュールは。

 来年度は復元船の解体工事と4分の1サイズの後継船を含めた館全体の設計を実施し、令和4年度から5年度にかけて改修工事を行う予定。6年度の供用開始に向けて取り組んでいく。

―次に宮城県はメタボリック症候群の該当者、予備群が全国上位で県内では石巻地方が多い状況。コロナ禍で自宅時間が増す中、健康影響が心配されている。

 指摘の通り宮城は全国ワースト2位で、10年連続ワースト3位以内。さらにコロナ禍によるテレワークや外出控えなどが運動不足や食生活のみだれにつながり、メタボになる危険性が高まっていることは十分に考えられる。

―メタボの放置は脳卒中や心筋梗塞など重大な疾患のリスクを高める。県の取り組みは。

 石巻地方では「いしのまき・スマート・プロジェクト」を展開し、健康経営の意識付けや働き盛り世代の歩数アップを目的に企業対象イベント、石巻日日新聞の協力による食育に関する紙面掲載などで地域住民への普及活動に取り組んでいる。

 昨年11月に「脱メタボ!みやぎ 健康サイコー宣言」を掲げて減塩(あと3グラム)、歩行推進(あと15分)、受動喫煙と虫歯(どちらもゼロ)を数値化した。今後もメディアや専用サイトで健康情報や取り組みを発信していく。

―知事が生活習慣病予防で日課にしていることは。

 家でルームランナーを使い、少なくても2、3日に1回時速6キロで30分程度は歩き、汗をかくようにしている。食事は野菜を多くとり、庁内では極力階段を使っている。


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