見出し画像

石巻市博物館が開館 無料公開で1100人来場 文化祭との相乗効果も大

 マルホンあきあーとテラスに完成した石巻市博物館が3日、無料で一般公開され、のべ約1100人(市教委集計)が入場。待望の施設オープンに喜びがあふれた。また、大ホールなどでは「第24回みやぎ県民文化祭」(5日まで)が開かれ、双方の会場を行き来する人も多く、文化の日らしいにぎわいを見せた。

 「どうしても最初に見たかった」と入場第1号となった柴田町立西住小学校の鈴木哲也教頭(54)は、感無量の面持ち。前年度まで石巻市立東浜小で石巻出身の彫刻家、高橋英吉(31歳で戦死)の研究を続け、震災で被災した石巻文化センターから救出されて以来となる英吉の「海の三部作」と対面。あらためて「素晴らしい」と声を漏らした。

石巻市博物館

展示物を熱心にながめる人たち(石巻市博物館)

 開館記念で英吉の長女で、版画家の高橋幸子さん=神奈川県逗子市=の作品も並び、「父娘展」が開催中(12月3日まで)。鈴木さんは交流のある幸子さんに電話で開館を報告。幸子さんは「父の作品が展示されるだけでもありがたいのに、自分のまで見ていただけて本当にありがたい」と喜んでいたという。

 仙台から来た宮城学院女子大の学生は「仙台では石巻関係の資料がほとんど見られないので、古文書などとても参考になった」。近所から徒歩で来た阿部さつみさん(63)は「石巻のことでも知らないことがあるので、いい施設ができた。子どもたちに見てほしい」と話した。

みやぎ県民文化祭

18センチ四方の布576枚を縫い合わせたキルト作品(みやぎ文化祭)

 一方、県文化協会連絡協議会主催の「みやぎ文化祭」はコロナの影響で2年ぶりの開催となり、まきあーとでは初めて。大ホールでは、雄勝町伊達の黒船太鼓保存会の演奏で開幕し、式典に次いで民舞、フラダンス、太極拳などさまざまな演目が披露された。

 小ホールやホワイエなどには絵画、書、写真、手工芸品などが所狭しと並び、華やかな雰囲気に包まれた。

 2階和室では、表千家石巻教授者会が日本茶のおもてなし。東松島市の川元節子さんは「文化祭を見に来たが、博物館にも寄って得した気分。いい文化の日になりました」と話していた。【本庄雅之】


現在、石巻Days(石巻日日新聞)では掲載記事を原則無料で公開しています。正確な情報が、新型コロナウイルス感染拡大への対応に役立ち、地域の皆さんが少しでも早く、日常生活を取り戻していくことを願っております。



最後まで記事をお読みいただき、ありがとうございました。皆様から頂くサポートは、さらなる有益なコンテンツの作成に役立たせていきます。引き続き、石巻日日新聞社のコンテンツをお楽しみください。