豚は太らせてから殺せ!殺豚盤の育成マニュアルがすごい内容だった。

長い時間をかけて信頼関係を構築してから、儲け話をもちかけて最後に大金をだましとる手口は、中国では「殺豚盤」と呼ばれていて、「豚を太らせてから殺す」という意味だそうです。コロナ禍で急増、疑似恋愛を絡めたロマンス型が横行していると。

昔から世界中にあるロマンス詐欺の手法として、戦地にいる軍人ですとか、荷物を送るから預かってとか、子供の手術代、とか、シナリオや手法は色々あるみたいだけど、私が遭遇したのは暗号資産投資系で、それは中国(中国語圏?)発祥らしい。

で、日課になりつつある、Twitterでのロマンス詐欺関連記事サーチをしてたら、その殺豚盤詐欺師の育成マニュアルを見つけました。

すごっ!みんなこんなのどこで見つけるの。

前にも同じような内容はTwitterのどこかで見たことあるけど、こんなフルマニュアルがネットに晒されてるだなんて。

後半の画像で英訳化もされてたけどめっちゃ読みにくかったので、私は中国語原文で読んでみた。読みにくかったけど、大体の意味は分かった。

マジで細かい営業マニュアルやトークスクリプト書かれてて、すごい!その日の行動と目標、こういう会話をする目的や相手に対する心理的効果なんかも書かれていて、非常に興味深い内容でした。

時間がある時、私のチャット履歴と照らし合わせて検証したい。。。

特に個人的になるほど的にゾッとしたのは赤線ひいたところ。下に解説つけます。

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詐欺師があなたのことを気にかける内容を命令口調で言うのは、そうすることで徐々に詐欺師の言うことを聞かなければならないような感覚になってくる、という心理学的な効果があるからだそうです。

例えば、「早くご飯食べてきなさい!待ってるから」「早く寝なさい!俺のこと思い出せよ!」などなど。

心当たり?あるある~。こうして豚🐷は、聞き分けの良い優良顧客になっていくのである。

あと、私たちが普段は意識して考えてもいないような自分の奥底に眠っている、お金とか物質的な欲望を掻き立てる様な会話、というのも意識的にやってるんだね。

画像2

私もリンヤンは偽物だと分かった後でも、せめてコイツの投資テクを盗めたら、毎月何十万円かの追加の利益が出るかも、と腹黒い欲の塊になってました。

普通に考えたら、詐欺って分かった時点で、そいつについて行ってもそんな利益が出るわけないだろ!と当時の自分に突っ込みたい!😂

てか普通の営業マンもこれだけ緻密な育成マニュアル・会話マニュアルががあったら、もっと優秀になれるんじゃないか?🤔🤔

重要任務は顧客の分析、潜在優良顧客を見抜いてそこに時間と労力を使う。Cランクの顧客(仕事も家も車もない人)には時間を無駄にするな、と。毎日顧客と自分の前日までのやりとりを振り返り分析分析分析!

ビジネス、マーケティングの基本は、どこでも一緒なんですが、やっぱり詐欺にかける熱意が、サラリーマン営業マンとは格段に違うんだろうね。

リンヤンとの関係を完全に断つ前に前に、とにかく相手のことを知りたくて、彼ら中国系詐欺師はどういう人達で、どういう環境でどういう気持ちで毎日詐欺を行っているんだろうと、その手の情報を調べまくっていた時期があった。

コロナで職をなくした貧しい中国人の若者が、仕事があると騙されて国境を越えてベトナムやカンボジアなどの東南アジアに連れていかれて、強制的に詐欺をさせられている、脱走しようとすればリンチ、みたいな記事を読んで、

リンヤン初代中の人は大丈夫だろうか、どういう立場で詐欺をしているんだろう、彼にはまだ良心が残っているはずだけど逃げられないんだろうか、それとも顔の見えない相手だし、騙されるような欲深い人間が悪いんだ、と悪いことをしている自覚がないんだろうか、、、

・・・などと、思いを馳せたこともある。

個人での犯行ではないことは確定してたし、どのみち組織でこんな犯罪をしているんだったら、マフィアとかヤバいとこだろうから、チャット担当の下っ端なんて、リンチされたり殺されたしてもおかしくないだろう、抜けたくても抜けられないだろう。(ヤクザ系漫画のイメージの受け売りだけど。)

そうそう、それで当時、「このまま連絡取り続けて、私に詐欺がバレたせいで上に怒られて、このままだと殺される、みたいなシナリオで金銭を要求されたら、結果どうであれ後味悪いしな」と思ったのも、連絡を絶つ決心にもなったんだった。

リンヤン初代中の人が、いつか罪を悔い改めて、足を洗って、真っ当な道に戻れますように。。。

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