政府が2022年末に策定した防衛力整備計画で23~27年度の防衛費は5年間で43兆円と定められる。
政府が2023年12月22日に閣議決定した2024年度当初予算案で、防衛費は7兆9496億円。過去最大。
内容を吟味する暇もなくただ規模感だけが膨らんでいく。
米軍再編関係経費、自衛隊の人件費や維持、装備品購入などで「防衛費」。さらにその自衛官の主な任務として「防衛」「災害派遣」「日米安保」「国際平和協力」「国際的安全保障協力」など。それぞれがどのくらいの割合かは不勉強であるが、能登地震でも装備の古さや機材の数不足は指摘されていたし、災害派遣に関しては決して充分に稼働されているとは言えなかろう。
と思うと、自衛隊はもはや、国内災害派遣には多少手を抜いているとしか思えない。それどころか原発は推進され2015年の集団的自衛権の行使を可能にした自衛隊法改正など、内実は災害派遣や防衛からあからさまな攻撃へと徐々に移り変わる歴史の様を今、目の当たりにしている気がして胸騒ぎが絶えぬ。
台湾有事、中国が攻め入ってくるなどと世間は声高だが、
真の抑止力や軍事強化とは
他国から役に立たない武器をその標準価格以上の高額買取をさせられることはさて置くとしても、武器調達することを指すのでは断じて、ない。
防衛とは、国力とは、外交であり、さらに言えばそれに耐えうる国内教育である。人材である。教育費を国防費と言い換えてもお釣りが来るくらいだ。
何より他国から軽蔑されることは避けなければならないことが外交の基本中の基本であることはマキャベッリも語るが如し。
憎まれる方がまだマシで、「このやろう、やられた!」というくらいに狡猾に鮮やかに立ち回れるならば、それはまた別の意味で世界的存在感を示すことになろう。
悲しいことに西欧型世界が常識を作り出す側、そして判断をする側であるということはやはり外交上避けては通れない事実である。すると彼らに一目置かれて認められる必要があるのは現在では致し方ない。
そこで打開策として有色人種であり体躯的に劣る我々の成す術としては、西欧型先進国が為し得なかった新しい価値観を国として生み出して、そこからなるべく多数のベネフィット享受を実現できたならば、それはまた進化した人間社会として、他国から羨望の眼差しを得られる可能性がある。
そこまでいかずとも注目されることは間違いない。
それはもしかしたら肌の色や歴史上の覇権の呪縛から逃れられる唯一の方法であるかもしれない。そして外交上非常に強力なジョーカーとなる。
それなのに日本はいつまでも旧態依然に拘り頑なに進化を拒否する権力者たちに国の矢印を預け続けている。欧米世界が悉く失敗した前例を持つと言うのにも関わらず、家父長制が未だ蔓延り、何もよい兆しを感じない。
とにかくストラテジーもタクティクスもへったくれもない。和歌山県議会あたりの底辺の話題を世界に振りまかれては、嘲りの誹りを免れない。青年局といいながらおじさんの群れであり多様性といいながら男性のみで政治資金を使いながら不要な女性蔑視行動など、幾重にもツッコミどころ満載の記事である。2024年の日本は、1970年当たりから全く進歩してはいないのだと。
本当に防衛を考えたならば、国際倫理観的に逸脱した人たちを公民権停止処分にする、それくらいのインパクトを見せつける。
そうすれば少しだけでも欧米世界は見直してくれるかもしれない。
もはや堕落した日本にはやたらと媚を売るしか能のない政治家擬きが魑魅魍魎のごとく跋扈している。そしてそれは、外交政策の失敗を意味している。さらに国際的な地位の低下と直結する。