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レンズ沼あれこれ:Takumar 135mm F3.5

今回は旭光学Takumar 135mm F3.5です。「オート」も「スーパー」も「SMC」もない、いわば「素のタクマー」です。調べてみると1957年ごろのレンズ。先にテレフォト135mmが発売されたそうですが、レンズ構成など基本的な設計は変更がなかったとのこと。

Takumar 135mm F3.5の発売から数年置いて半自動絞りのオートタクマー135mmへ、そして自動絞りのスーパータクマー135mm、F2.5のスーパータクマー〜SMCタクマーへと展開していったようです。

そんなレンズの歴史の一端が感じられる50年代レンズ。いつかは手にしてみたいと思っていたので、手許に届いた瞬間はちょっとした感動でした。ちなみに、SMCタクマー135mmF3.5の後期型の発売は1973年。16年ほどの間に一歩ずつ進化していったわけで、いわばタクマー135mmの原点に近いモデルといえそうです。

マウントはM42スクリューマウントでプリセット絞り。長くて細い筒の先っぽ付近に絞りリングが2つあります。基本的な撮影手順としては、シルバーの第1リングで実絞りを決めて、黒の第2リングを左に回し一旦開放に〜見やすくしてピントを合わせた後、第2リングを実絞り位置まで戻すという感じだったのかな?

Takumar 135mm F3.5

<note:Takumar 135mm F3.5>
  • マウント:M42スクリューマウント

  • レンズ構成:4群5枚

  • 絞り羽根:8枚

  • 重さ(実測):323g

実際には第2リングを戻し忘れると全部開放になっちゃいます。それで、両方のリングを一旦3.5の開放位置まで回した後、第2リングを任意の絞り位置まで回すと、第1リングが一緒に回ってくれます。これでOK。そんな感じで撮影してまいりました。なにやら苦肉の策ではありますが。

オールドレンズらしくコントラストは少し低め。色味はどちらかというと寒色系でしょうか。シャドウ部の沈み込みがちょっぴり微妙な気がしたので、意識的にプラス補正で撮ってみたものが多いです。松山城本丸広場でのスナップですが、空気感がいい具合かと思います。手前のおじさんの気分のよさを少しだけおすそ分けしてもらったような?

Olympus E-P5+マウントアダプター 1/250s iso200 WBオート

季節はちょうど梅の花の咲き始め。背景は松山城の天守です。

Olympus E-P5+マウントアダプター 1/80s iso200 絞り優先+1.00ev WBオート

この日はうまい具合に曇りがち。ピーカンよりも少しだけドラマチックなので、こんな空模様のほうが撮影向きだと思います。

Olympus E-P5+マウントアダプター 1/80s iso200 絞り優先+1.70ev WBオート
Olympus E-P5+マウントアダプター 1/1600s iso200 WBオート

観光客のお目当ては梅の花。こちらのおじさんはスマホでパチリ。今どきこれですよね、やっぱ。デジイチに半世紀前のレンズをつけて写真を撮ってるなんてモノ好きは、ごくごく少数派だろうな。我ながらアホだなぁと。

Olympus E-P5+マウントアダプター 1/320s iso200 WBオート

逆光ではこんな感じ。コーティングの影響なのか、フリンジは発生しますね。

Olympus E-P5+マウントアダプター 1/5000s iso200 絞り優先+2.00ev WBオート
Olympus E-P5+マウントアダプター 1/6400s iso200 絞り優先+1.70ev WBオート

どこにもピントを合わせず丸ボケのみをチェック。けっこうきれいかも。

Olympus E-P5+マウントアダプター 1/2000s iso200 WBオート

フジフイルムX-T20を使いモノクロでも撮影してみました。フィルターはイエロー。

Fujifilm X-T20+マウントアダプター 1/500s iso200
Fujifilm X-T20+マウントアダプター 1/60s iso200

50年代当時はどちらかといえば、モノクロフィルムで撮影するケースが多かったかと思います。takumar135mmももしかすると、モノクロのほうがジャストフィットする持ち場なのかも。いずれにせよ、味のある表現が魅力の一本でしょう。カメラボディから細長く飛び出すようなビジュアルに目をつぶれば、お散歩用に持ち出してもいいのではないかと思います。

ぜひ大事に使っていきたいですね。

なお、レンズに関する記述や評価はすべて、素人カメラマンの個人的な感想です。誤った情報や評価などがあれば、ただちに修正していきたいと思っています。その点はご容赦ください。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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