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ベトナム珍道中【vol.1】

関西国際空港にて

前日泉佐野のホテルに前泊した私と友人(以後Yと記す)はホテルのバスに乗って関西国際空港に到着した。

私もYも海外旅行経験が乏しいので、時間に余裕を持って行動することを心がけた。

私たちの乗る飛行機はベトジェットエア!!
安さが売りのLCCである。

ただ口コミはあまり良くなく、とにかく座席が狭いらしい。

私もYもが体格が良い方なので、5時間のフライトが大変だろうなぁ。

チェックインを難なく通過した私たちだったが、いきなりアクシデントに見舞われる。

手荷物検査でYが止められたのだ。

Yはおばあちゃんの肩身のチェーン(手錠に似ている)を鞄にぶら下げていたのだが、それが金属探知機に引っかかったのだ。

おばあちゃんが生前、ベトナムに行きたがっていたらしく、彼の母が持って行きなさいといったらしい。

おばあちゃんの肩身はベトナムを知ることなく、しかも旅行の序盤の序盤でドロップアウトするなんめあまりに不憫じゃないか。

結局、移動するときは必ず鞄にしまうことを条件に持ち込みを許可してもらえた。

よかったねおばあちゃんの肩身!

出発!!

出国審査や貨幣の換金を済ませた私たちは、飛行機に搭乗した。

ベトナムドン

私たちは三列席の窓側と真ん中に座った。

私が真ん中で、Yが窓側である。

通路側は観光で日本に来たであろうベトナム人女性(以後R)が座っていた。

飛行機は出発した。

上空から見る日本列島の多くは山や木々で構成されていて、日常ではなかなか見られない日本の本来の姿を見れたような気がした。

席はやっぱり狭かったけれど、前の席が空席だったこともあり、割と快適に過ごせた。

フライトが1時間を過ぎようとしていた辺りで、CAさんが機内食を販売しに通路を歩き出した。

ベトジェットは航空機代に機内食サービスが含まれていないので、お腹が空いたら自分でお金を払って注文しないといけない。

私はメニューを見ながら、バインミー(ベトナム風のサンドウィッチみたいなやつ)を頼んだが、売り切れだったので、仕方がなくスパゲッティを頼んだ。

ベトジェットの機内食メニュー

味は可もなく不可もなくだった。

Yはインスタントフォーを美味しそうに食べていたので、次からは私もフォー食べようと思った。

食事を終えた私たちは眠たくなったので、目を閉じた。

しかし運悪く、そのタイミングで、反対側の三列席の通路側のベトナム人男性(M)が私の隣のベトナム人女性(R)に話しかけたのだ。

話している感じ、知り合いではなさそうでRも戸惑っているように思えた。

それにしてもMの声がよく通ること。

目を閉じても意味のわからない異国の言語を耳がしっかりキャッチしてしまうので、眠気が飛んでしまった。

目を開けると、明らかにRが嫌がっているのがわかった。

それでも、マシンガンのように話し続けるMのメンタルの強さは私も少し見習いたいと思った。

ずっとMは喋り続けているので、だんだん私とYは面白くなってきて、いつまで喋り続けるかをスマホのストップウォッチで測り始めていた。

ふと横を見ているともはやRは寝てしまっていた。

あんなに通る声が横から聞こえてくるのに、よくぞ寝れるものだ。

聞き手が居なくなったので、さすがのMも黙るかと思ったが、彼は私の想像に収まるような男ではなかった。

隣の席の日本人女性に話しかけたのだ。

鋼のメンタル恐るべし。

日本人女性はあまり相手にしなかったので、今度こそ黙るだろうと思ったのだが、今度は寝ているRを起こして話し続けたのだ。

ただの迷惑客じゃん。

結局彼が5時間一人で喋り続けたので、私は一睡もできずにハノイに到着した。



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