無限に再生する健司を切り刻んだら徹子の部屋にワープして灰になった話
事情を説明すると、男女四人でカラオケに行くことになった。
「サービス券あるんだよね。」
フード一品一律無料の券を理緒が差し出すと、まず健司がこの店一番のボリュームのパーティプレートを提案した。が、健司の首は無残にも刈り取られた。
「私の刀は座標と鞘を0秒で往復する。」
しかし、床に落ちた健司の首が泥のように溶けだすと、胴体の断面からめきめきと新たな首が生え変わった。
「驚いたよ。この僕が反応できないなんてね。」
もし私が二人の気をまともに浴びていたら……。ごくりと思わず固唾を飲む。巨大な盾に身を隠したいろはは隣で灰と化した隆を見つめ唇をかみしめていた。
「どうしてこんなことになっちゃったんだろう……。」
―—3億年前
地上8万メートル、重量780000トン、それがおれ、健司だ。
爪のささくれやかさぶたをピリピリはがしていたら、生物が住み、木々が芽生え、のちのユーラシア大陸となった。
残った一粒のかけらがこの俺、そして今も空気中に霧散した俺の粉末が漂い続けている。これが俺の再生の原理だ。
「シッ!!」
目にもとまらぬ斬舞で健司を八つ裂きにする理緒。無限に再生し続ける健司。粉雪の3サビで裏返るいろは。
「僕は君のコト守り続けたいいぃ゛……げほっ!…ぁぁあ!!」
先に限界が来たのはいろはだった。もはや彼女に残されたエネルギーはなかった。そう、つまりようやく、彼女の計画は完遂されたのだ。
「空」
健司、理緒、隆(灰)、joysound maxは光さえも抜け出せない重力の奔流に呑みこまれ、気づけば徹子の部屋のソファに座っていた。
るーるる、るるるるーるる、るるるるーるーるーるるるるー
健司、理緒、joysound maxはたちまち灰になった。その灰は燃え上がり、一つの完全なる正三角形に圧縮された。
「ようやく【秘密】を手に入れることができたわ。これが完全体のポリンキーなのね。」
彼女はひょう!と言い放ち、ベラミー海賊団副船長、ビッグナイフ・サーキースのと似ているでかいナイフをのどに突き立てた。一体何が起こったというんだろうか。
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