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私はギャ男ではありません。

ヴィジュアル系を好きな女性を「バンギャ」と呼ぶ文化があります。
対して、男性の場合はそこからもじって「ギャ男」と呼ばれています。

もはや「バンド好き」要素はどこにあんねん
っていう言葉ですがまぁそれは置いといて
我ながら私はけしてギャ男ではないよなぁと自負しております。


最近のV系事情

こんなにV系好きを謳っておいて何をいまさら……と思うかもしれませんが
事実として私が聴く音楽でV系が占める割合は3割程度に止まります。

確かにヴィジュアル系と呼ばれているバンドは大好きです。
つい最近もDuelJewelの新譜を聴いてぶちあがっていました。

紅蓮の渦 / DuelJewel

この現メンバー編成になって20年以上経過しているのですが
そのキャリアの中でもこんな攻め攻めな楽曲をやってくれる姿勢が最高。
前作「Trigger」はボーカル初作曲の曲があったりしてバラエティには富んでいたのですが、やはりこういうファストな曲が多いほうが私には心地いいです。

こういうメタリックな曲だとやはり摩天楼オペラが堂に入っていて
去年はこの曲を一番聞いていたかもしれません↓

真っ白な闇がすべてを塗り替えても / 摩天楼オペラ

今年ライブを見に行ってるので
今年も継続して好きな曲に上げさせていただきます。
摩天楼オペラの曲調はメンバーの推移も関係してそうですが
グラデーションで変化していて初期とはだいぶ音楽性が異なり
現在はだいぶスケールが大きく
今が一番「摩天楼」で「オペラ」してると感じています。

最近のV系といえばこちらの復活も嬉しかったですね。

迷彩 -2023 ver.- / Sadie

原点にして最新で最凶。
2005年に生まれた代表曲ですが今年の再始動に伴い再構築。
最新の音に生まれ変わって期待を否が応にも高めてくれました。

最近のお気に入りの3曲ということでこちらを上げます。
何れもバンドの始動が00年代であるので新しいバンドとは言えないのですがこんな感じで私は現在進行形でV系が大好きなんですよ。

……なぜ私がそんなことを殊更に強調するかと申しますと
実はことごとく「ヴィジュアル系が好きな人とは話が合わないなぁ」なんて感じているからだったりします。

私が「ヴィジュアル系が好き」という人が嫌いな理由

基本「ヴィジュアル系が好き」というと
主に90年代のバンドを好きな人の声が大きいという現実があります。

何かにつけてX JAPANがこうで、LUNA SEAがあぁで、
当時はよかったとかそれ以降は全然クソまでのたまう方もいらっしゃいます。
それが 非 常 に 鼻 に つ く

オールドスクール至上主義がはびこっていて
00年代以降のV系が軽視されてしまっている事実。

確かにリスペクトはあります。
ゼロからイチを作り上げた創始者という認識もありますし
誰とも被らない手法を突き詰めた結果として
奇抜な衣装やイデタチという表現に繋がったのだと理解はしています。

もともとその出来上がった舞台がすでにあって
初めからヴィジュアル系という世界を意識して入ってきた層とは
きっと雲泥の差があるのでしょう。

しかし、だからと言って後発を全否定するのはちょっと違うと思う……

きっと当事者であるプレーヤー同士は多分そんなことなく
それぞれ仲良くやっていると思います。

だが!リスナー側が!「昔のほうがよかった」と!蔑みやがる!!
その閉鎖的で独善的な姿勢が、
このシーン全体の衰退を進めたと私は思っています。

まぁこれはあくまで懐古主義なV系ファンにのみ抱いている感情で
今のバンドも普通に聴いているひとには当てはまらない意見ですけどね。

そりゃあ思春期に聴いた音楽が永遠のヒーローなのはわかっていますよ。
私も未だにジャンヌダルクが神だと崇めていますし。
だから同年代がそういう思考に陥るのは仕方がないことだとも思っています。

ただ、だからといって、最近の音楽がクソだとは微塵も思わない。
私もちょっと一時期、(前職時代)音楽を聴けない状態が続いた日もありましたが、今はちょっとだけ復調して音楽を浴びるのを再開できました。
また少しずつ収集にチカラを入れていきたいと思っています。


私は「ヴィジュアル系が好き」なのではない

さて、ここまでV系が好きなことと未来への不安を主張してきましたが
以下の紹介で別にヴィジュアル系が好きではないことの証明をしていきたいと思います。

最近一番ハマってる曲はこちらです。

鉄の檻 / GRANRODEO

和風のテイストも取り入れられたヘヴィな楽曲で
聴きようによってはHR/HMにも接近した曲調と言えるでしょう。
これまで『愛のWarrior』が彼らの曲では一番好きだったのですが
2023年最新曲にてその最高を更新しそうなほど気に入ってます。

察しの良い人は一発で思うでしょうか。
「え、これなんかヴィジュアル系っぽい」

その実これは声優ユニットの楽曲です。
そう、V系ファンとは明確な確執のある声優による歌唱曲なのです。

前々から主張してることではあるんですが
"ヴィジュアル系"も"アニソン"も音楽性を示す単語ではありません。
あくまで活動するフィールドで分類されているだけに過ぎません。

どうですか?
最初の3曲と比べてもそんなに音楽性がかけ離れてるとは思いませんよね?

私はヴィジュアル系が好きなわけではありません。が、
ヴィジュアル系っぽい音楽が好きなんだ、とここで分かるわけです。

ちょっと前だとこちらもだいぶお気に入りです。

Break Together / 感覚ピエロ

こちらは純正"邦ロック"界隈で活躍している感覚ピエロ。
声優同様、ヴィジュアル系とは隔絶した領域で活動しているバンドです。
感情の乗った歌唱といい弾き倒されるギターといい
サウンドだけ聴いてるとV系と遜色ない出来。

元々映画【22年目の告白-私が殺人犯です-】の主題歌である『疑問疑答』で好きになったバンドなのですが、
初見で「歌ってるのってV系かな?」と思ってしまったほどかっこよかったです。
とても結成当初『O・P・P・A・I』を代表曲にしてたとは思えないシリアスな世界観が素敵です。断然今のほうが好き。笑

この「V系っぽい」がおそらく私の琴線で、
故に私はV系が好きなのではなく、
たまたま好きになる音楽にV系が多いだけ、という証明になります。

なにも男性ボーカルだけではありません。

僕が僕であるために / AliA

私は綺麗な歌い方や穏やかな歌唱よりも
多少ピッチがずれてても熱唱系ボーカリストが大好きです。

現在それを強く感じるのがこのAliA。
ピアノとヴァイオリンを擁しているのでクラシカルな雰囲気もあり
いうなればJ-POP版摩天楼オペラ。
つまり、これもV系っぽい音作りといえるわけです。
それは同時にJanneDaArcっぽさも感じてるわけですがわかりますかね?

歌詞もメッセージ性が高く聴いてて爽快。
もっと評価されるべきバンドだと思います。


これを聴いても「ヴィジュアル系とそれ以外」で分けられるだろうか

ここまでの展開で、では私はヴィジュアル系なのではなく
メタルが好きなのではないか、と思う人もいるでしょうか。
ヘヴィでファストで熱唱系ヴォーカリストがお好き。
それなら該当していてもおかしくはないのは明白です。

しかし、実際はジャパメタ界が好きかというとそうも限りません。

なぜなら――

実はこれまで紹介してきた楽曲の共通項なのですが
なんと歌詞がほとんど日本語なのです

その点ジャパメタはどうでしょう。
ほとんどが英語だったりしませんか?
それがどうにも琴線を震わせない……!

私は日本人である。故に、日本語で歌われていないと理解できない!
英語のほうがかっこいいのはわかっているつもりです。
でも、私は歌詞を重視する音源オタク。
やっぱり日本語と英語だと理解度というか解像度とかが全然違うのです。

でも曲調としてメタルが好きなのは
揺るぎようのない事実であることは認めましょう。

そういった意味では、最近激しく期待できるバンドが誕生しましたね。

Evolve / East Of Eden

大人系アイドルだったprediaのメンバーがボーカルを執る新バンド。
主宰がヴァイオリニストのAyasaなのでヴァイオリンの主張が激しく
シンフォニックでヘヴィな音楽性はまさにV系。
むしろ男性バンドでもここまで弦楽器同士のバトルを間奏に織り込める実力派はそんなに多くないイメージ。
確かな歌唱力と演奏力で今後の活動への期待度が最高潮です。

個人的には日本語歌詞で行ってほしいので
「海外進出を視野」の部分が不安要素。笑

そして日本語ゴシックメタルといえば、

Metamorphose / 矢島舞依

こちらは昨年の楽曲にはなりますが
やはり彼女の表現する音楽は琴線に触れまくりです。

活動フィールドはメタルなのですが
しかもレーベルで言えばビーイングに属してるわけですが
このゴシックシンフォニーな音楽性と内省的な歌詞の内容は
もはやV系と何が違うのでしょう。

この2曲は特にサウンド面に於いてはV系と何ら遜色ないと思いませんか?
「ヴィジュアル系は嫌い」とか逆に「ヴィジュアル系しか聴かない」とか
そんな偏見でこの音楽をみすみす見逃すのはもったいないと言わざるを得ません。

そしてつい最近。
2023年夏アニメからこんなアニメ内バンドが生まれました。

Ave Mujica / Ave Mujica

BanG Dream! It's MyGO!!!!!】の最終話にて登場したバンド。
声優自らが楽器を、もしくは楽器できる人を声優に起用した
二次元とリアルを融合させたプロジェクトの最新ユニットです。

「ヴィジュアル系といえば」の代表格であるMALICE MIZERを彷彿とさせる
衣装と世界観と音楽性。
もともと【バンドリ】にはゴシックシンフォニーのRoseliaが存在していますが、そことは似て非なる、よりゴシックを強調したコンセプトです。

そもそも主人公バンドであるMyGO!!!!!もいうなれば
90年代に席巻したソフトヴィジュアル系やソフトパンクに似た音楽性をしており、ちょっと古めの音楽を愛聴する層にぶっささる楽曲で
ほんとこの作品は音楽に真摯だなと思わされます。

昔から音楽をジャンルで聴くことの愚かさを説いている私ですが
アニソンにしろ邦ロックにしろ
明らかにヴィジュアル系と並べて聴いても違和感のない楽曲が存在することに、そろそろ賛同者が増えてもいいんじゃないかなぁなんて思う今日この頃です。

その他2023年にハマった楽曲

Variable Impulse / Fayran

ソーシャルゲーム【神姫PROJECT】の2023年発表の新テーマソング。
このゲームは過去に喜多村英梨のゴシックメタル調の楽曲を採用しており
今回もデジタルメタルの要素を含んだ疾走感のある曲調。
素晴らしい音響監督の采配ですね。
元々ゲーム内BGMでもメタル調ロック調の楽曲は多数存在しており
ユーザーからの評価も高かった作品。
ここのサウンドチームのセンスは今後も期待できそうです。

SURVIVE / MindaRyn

2023年春アニメ【彼女が公爵邸に行った理由】主題歌。
タイ出身のロック調のアニソンシンガー。
ロック調のオリジナル楽曲が多いのはX JAPANが好きという本人の意思が関係してそうで個人的には好感度が抜群。
つまりヴィジュアル系の系譜ということでこの記事的にも親和性があります。

積極的にアニソンタイアップを獲得しており、
毎クールどこかしらで歌っている印象。
正直このアニメは全然面白くなかったんですが(爆)
曲は鮮烈に印象に残ってます。

愛の歌 / 藤川千愛

2023年春アニメ【マイホームヒーロー】主題歌。
元アイドルグループまねきケチャからのソロ進出で
コンスタントに楽曲を発表し続けるもう立派なソロシンガーですね。

個人的には【盾の勇者の成り上がり】で毎回エンディングを務めているという印象があるのでアニソンシンガーなのかな?とも思うのですが
実際はJ-popアーティストっぽい活動の仕方に見えます。

そしてなんと彼女はBUCK-TICKのトリビュートアルバムに参加しています。
つまり彼女もヴィジュアル系の系譜ということになるのですよ。


ほら、いかにヴィジュアル系が好きとか嫌いとか主張するのが
どうでもよくなってきませんか?
いい加減音楽性で聴かず嫌いをするのはやめましょう。
一回でいいから聴いてみてください。
好き嫌いを判断するのはそのあとでいいのです。
さぁ、新たな好きな音楽がそこにあるかもしれない、その扉を
聴かないで知らないのはもったいないからとりあえず開いてみようぜ!!


Afterword

というわけで、
私はV系が好きというよりかはたまたま好きになった音楽がV系だっただけ
という書けば一行で終わる主張を長々と書いてみました。

今回今年2023年になってから発表された曲ベスト10+2022年の曲2曲
を紹介したわけですが
MindaRynと藤川千愛がV系に関連していたことは
この記事を書くにあたってwikipediaで調べて初めて知りました。
紹介したい曲を選んでから書き始めたのでほんとにたまたまです。
やっぱり好きなものってどこかで繋がってくるものですねぇ。

では今回はこの辺で。
ちょっと間が空いたのは仕事が忙しかったからです。
また気が向いたら出没しますのでどうぞよしなに。

ではでは。


最後まで長文お読みいただき誠にありがとうございました。 つっこみどころを残してあるはずなので 些細なことでもコメント残してくれると嬉しいです!