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まふまふ様、僕は気づいてしまった

まずは拝啓まふまふさん、紅白出場おめでとうございます。
大晦日は基本出かけてるのでここ20年くらい見てませんが
それ自体が名誉であることにイチファンとして大変嬉しく思います。


▶まふまふの魅力とはなんだろうか

まずはニコニコ動画"歌ってみた"で
まふまふ単独歌唱として最も再生数の高いこちらを聴いてみましょう。

いかにも古き良き2ちゃんねるからの系譜であるニコニコ動画らしい、
社会になんだか適合できない(と思い込んでいる)若者の
悲嘆や諦観といった誰にも理解されないけど誰もが抱く激情を
その高い表現力で歌いきっています

彼のファーストインパクトは声の高さに集約されがちです。
女性かとも紛うような両声類、を超えた覚声類とも呼ばれる
おおよそ人が出せるとは思えない音域すらスラっと歌えてしまいます。

ただ、それだけが評価されていると断ずるには少々早い


まふまふの性格をあえて一言で表すなら"卑屈"だと思います。
こんなに、作詞作曲マスタリングまで出来て歌も上手いのに、
"なんでも屋"の面目躍如と思うでしょうか。

ですが色んな人との絡みを見ていると、
何かにおののいている姿が多いんですよね。
あんまり強気な彼に出会わない。
楽曲の中ではよく神様に喧嘩売ってるのに。


最新曲は彼お得意の鍵盤ロック×死生観の歌詞となっています。
かなり内省的で、多角的な視点から紐解いて
理論を丸めて助走つけて太陽に唾を吐くような作品です。

これが若者の胸を打/撃つ。



その作風は元来ひきこもり体質であるということも拍車をかけます。
そうなってしまったきっかけもあったようなのですが
それ自体は後にユニットを組むことになる
そらると出会うことによって軟化していきます。

ネットでの反応を見ていると、そらるがまふまふに寄っかかっている
と見ているアンチも多いように見受けられるのですが
実際は外界を拒絶していたまふまふに
手を差し伸べたのがそらるだったと記憶しています。

(出典を覚えなくてすみません)


まふまふのこの歌い方は、おそらくは我流。

二人の歌声を聴き比べるのがちょうどいいのですが
歌唱の表現方法がまったく違います。

そらるはどちらかと言えば従来のシンガーのような
吐息成分も表現として可能な柔軟な発声で
万人に受け入れられるのはこちらでしょう。

それに比べればまふまふの歌声は一辺倒です。
ファンの方であれば「いやちゃんと落ち着いた歌い方もできるから!」
と声を荒げそうですが、実際は強弱くらいしか違いはないはずです。

暴れまわるメロディを乗りこなすと言うよりは
奔流に飲みこまれて触発され発射されるような熱唱。

つまるところ、鬱屈した感情を喚き散らすのに遠慮のないその叫び声
彼の最大の"歌"の威力だと主張したいのです。

その高音域さえもあくまで表現の一部でしかない。
彼の飽くなき探究心は、内に籠もることで発揮されます。

まさに、近代音楽の申し子。


▶アニソンは作曲家で聴け!♯EX-1「まふまふ」

近年では自身の歌唱曲に限らず、
楽曲提供で成功している場面も多々見かけます。

もっとも知名度があるのはこちらでしょうか。

君氏危うくも近うよれ / A応P

自身歌唱曲にも多い和風をコミカルに表現。
多少メロディが詰まってても
複数人のアイドルが歌唱することによって成り立っています。

社会現象にも成った【おそ松さん】を担当したかと思えば
国民的アニメ【名探偵コナン】にも携わります。

カウントダウン / NormCore

After the Rain系統の正統ロック。
最も高い音が来る位置のもり立て方にまふまふらしさを感じます。

ついには国民的どころか、世界的アニメ【ポケモン】にも楽曲を提供。
(歌唱もしてますが)
まふまふ曲をこの二人が歌うとは……

1・2・3 / 西川くんとキリショー

(このPVが楽しすぎる件)

すでに紅白に選ばれるだけの功績は挙げていたわけですね。


もちろんアンダーグラウンドの住人。
ニッチな世界観にも寄り添える器用さを持ちあわせてます。

女性向け作品ではアニメ化に際して物議を醸しだした問題作
……じゃなく話題作【抱かれたい男1位に脅されています。】
にも堂々と名を連ねました。

不完全モノクローグ / 佐香智久

やはり"歌ってみた"界隈は女性ファンが多いので
女性向けコンテンツとの相性はかなりいいです。

【あんさんぶるスターズ】への提供曲は事前情報を知らなければ
今度は誰とのユニットだろう?と思えるほどの親和性があるでしょう。

Valentine Eve's Nightmare / UNDEAD


そして、まふまふも一人の男の子。
ましてや引きこもりなので生身の人間なんて生易しいことは言いません。
大好きな二次元キャラに萌えることだってあるのです。

いつかのインタビューで大好きだと豪語していた
【ご注文はうさぎですか?】のチノへ、ついにラブコールも届きました。

冗談か本気か流通会社を決める際に
【ごちうさ】と同じ会社だったからとまで言い切ってますからね。


▶紅白発表直前のムーブメント

じつは紅白出場の直前あたりに
なぜか大物YouTuberとのコラボが見られました。

意外すぎる組み合わせとして、
3年ほど前からヒカルにちょっかいを掛けられてるかと思えば
ついに共同で大型企画に乗り出した動画がこちら。


そのヒカルにそそのかされてか、なんとニコニコ動画にも深く関わっていた
ひろゆきとも共演を果たしています。
とにかくいじられまくるまふまふがかわいそうになります。
楽しそうだから良いんですが。

ヒカルが根本的にはまふまふを尊敬しているのも垣間見えて面白いです。
まふまふへ登録者数でマウント取れる数少ないYouTuberでもありますしね。

ヒカルとはちょこちょこ絡んでいたので驚きはなかったんですが
個人的にはタケヤキ翔とのコラボはかなり意外でした。


Afterword

というわけで

・選ばれし天声、高音すぎる楽曲も難なく歌える
・若者の代弁者、作詞作曲ミックスすべてを高次元で顕現できる
・そうして緻密に組立てられた楽曲をダイレクトに反映させられる「絶唱」

以上が私がまふまふに気づいた魅力でした。

こうした細かい要素が粒子として充満していつしか大爆発を起こした結果が
紅白出場かと思うと胸熱ですね。


あ、画像は別にまふまふさんではないです。
15年くらい前に書いた吟遊詩人くんです。


以前も紹介しましたが、私はアンチクロックワイズという楽曲が
2017年ベストソングなくらい気に入ってます。

野次も罵声も品評も 否定をしなくちゃ愛か

期待ハズレでいたいだなんて いつからか願ってしまった?
名も知れぬほうが良いなんて いつからか願ってしまった

何も求めないから 何も求めないでよ

SNSのリテラシー低下が嘆かれて久しいですが
自分にもは当てはまってないか、今一度見つめ直すようにしています。


さて。

とはいえ、
ヒカルと絡めるくらいの地頭の良さも持ち合わせているまふまふ氏。

動画で見せるようなこの純粋な姿も
ブランディングである可能性は否めませんが
それすらも一つの作品として楽しませてくれるなら
その姿はれっきとしたエンターテインメント。

紅白でどのようなステージングを魅せてくれるのか今から楽しみです!


(まぁ見はしないんですけど)



最後まで長文お読みいただき誠にありがとうございました。 つっこみどころを残してあるはずなので 些細なことでもコメント残してくれると嬉しいです!