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Laputaのakiの1stソロアルバム「CONFLICT」が神アルバムだと主張したい

知る人ぞ知る名古屋ヴィジュアル系の代表格、Laputa。

彼らについて今尚熱く語り継がれるのはよく見るのだが
ソロワークスについてまで言及しているものは多くない。

後期Laputaのデジタル傾倒に振り落とされたリスナーが多かったと
当時にも感じていた疎外感は未だ健在なのだが
いかんせんトランスも好んで聴く私には
後期は後期でかなり好きな作品群である。


というわけで今回は、ちょっと予定を変更して
2005年に発売された
akiのソロワーク始動アルバムをレビューしたいと思う。

……いや、実は感覚が狂っていて
note始動半年は来月だったの。恥


ちなみに今回はこちらの記事に多大な影響を受けて執筆しております。

すんげーKouichi愛。

ならば対抗して、私はaki愛を叫ぼうではないか。
(※ほんとはjunjiファンです。)
(※HALATIONはあまり好みでなくC4は超好き)
(メロディアスが好き←結論)


aki 「CONFLICT」レビュー

総評:

やはりLaputaを語る上で欠かせないのがボーカルの声質
あまりにも独特すぎるボーカルをしているので
V系が好きな人以外には受け付けない、としばしば形容します。

よって各メンバーのソロワークでもっとも"Laputa味"を
感じられるのはakiにほかならないでしょう。

Laputa時代はKouichiという天才コード進行erシンカーがいたので
あまり目立ってはなかったのですが

『meet again』『Shape』という2大メロディアスシングルだったり
『奈落の底』『Black Sheep』というダーク&メロディアスの代名詞となる
そんな代表曲の作曲も担っていたので
ありがちな"歌うだけのソロワーク"にならないことは保証済み。

むしろボーカリストなだけあって
歌って聴いて気持ちのいいメロディラインというのを
把握し尽くしています。

ゴッリゴリのデジタルサウンドに調和させながら
現在に至るソロワークスの中でも
最もバラエティに富んでいる作品となっているでしょう。


▶Tr.1 COME INTO CONFLICT

ボーカルラインはあるけどエフェクターがかかっておりよく聞き取れない、
よくあるアルバム一曲目にあるインストゥルメンタルSE
――と思うなかれ

驚くべきことに、実はこちらが先行発売された1stシングルにあたります。
いきなりふるいに掛けるなぁ、ってのが第一印象。

レビューは好評なものが多かったのですが、
個人的には
「ボーカルをもっと全面に押し出してくれよ」と困惑したものです

ただアルバムの1曲目としては非常に優秀。
これから幕開けるワクワク感と世界観を司るドキドキ感に満ちています。

アルバム全体のコンセプトもわかりやすく提示。"愛と平和"
戦争の愚かさやそれに魅入られる悲劇が
彼なりの視点で描かれています。


▶Tr.2 BUMP

重たいデジタルなオケに楽器陣も加わり、
疾走感のあるロックスに転換します。

感触としては「楽~ヘブン~園」系統。
『Blindman's Buff』に近いかな。

上述した死生観が攻撃的な歌詞によって紡がれており
「Let's 3,2,1 BUMP×3」の煽りがかっこいい。

歌モノ一発目としてふさわしい、破壊力と勢いを重視ししたナンバー。
シャウト健在のボーカルが嬉しい一曲。

▶Tr.3 華

一転アルペジオから始まるメロディックなナンバー。
ザ・キラーチューン

アップテンポでマイナー調でメロディアス。
Laputaファンガッツポーズの一曲です

3部構成のサビが2小節ごとに別のメロディで畳み掛けてくる
美旋律の奔流が贅沢で

なぜこれをシングルで切らなかった……と思ってしまうほど
『meet again』に匹敵する大衆性を含有しています。
もうPV作って発表して欲しいくらい。

間奏や後奏のストリングスがまた美しく、
終わり方もドラマティックで隙がない。
メロウでシリアスな展開に泣くがいい

▶Tr.4 LOVE MESSIAH

続けてのキラーチューン連発。
この時点でこのアルバムの神認定、確定演出です

タイトルはこの上なくダサいですが
逆に明確なコンセプトのもと作成されているという意図を強く感じます。

メロディ的には『Love Song』並にストレートですが
サウンドや聴き心地は『too late』に近いかも。
ただもっとドラムがせわしなく歌謡ロック然としています。
akiのメロディアスさがこれでもかと味わえますね。

ギターが鳴るとどうしても、もっと奇抜なフレーズを頼むぜ……
と思ってしまうのはKouichi病にかかってる証拠ですが
なかなかこちらも負けてません。
というのも、導入挿入の仕方が当時のそれを思わせます。

これもまたLaputa-ism。影響ないほうが不自然です。

▶Tr.5 TRUST

不協和音気味な打ち込みティンバニ(?)と
オモチャでよく聞くチャチぃ爆発音のサンプリングが印象的な変な前奏。

その展開を維持したまま
サビがメロディアスになるのが『Pink animal』っぽい。

無機質なオケとakiのボーカルが不気味に交差して
最初は不思議な曲という印象ですが
聞けば聞くほど効いてくるスルメ曲。

内省的に過ぎる歌詞がまた切ないですね。


▶Tr.6 BRILLIANT JESUS

ゴシックで壮大なバラ―ドナンバー。
なんか一気に映画のサントラ並みの高尚なトラックに移行したな……
と思ったら、こちらは共同制作者の
横山和俊のトラックメイキングが輝いていました。

実に華やかで浮遊感のあるストリングスワーク。美しいです。
そしてこのサビの開放感。

それに寄り添う優しいコーラスワークもお手の物。
さすがプロの仕業ですね。
こういう化学反応が見れるのもソロの魅力の一つです。

歌詞通りまさに自然の雄大さに浄化されるような世界観。

Laputaの曲っぽさはあまり感じないのですが
強いて言えば『Shape』や『Sapless Heart』が近いのかな。


▶Tr.7 SEVEN

繋ぎのインストゥルメンタル。
ただRaphaelの『シナゴーグ』シリーズ並に
次曲への期待を煽るスリリングなトラック。

『Blast-Off Time』のような女声サンプリングとピアノで攻め立てます。


▶Tr.8 LACK OF...

『Treat your Fuck』のようなボーカルエフェクト強めな
ヘヴィなデジタルハードコア。

ただメロディアスを隠しきれなく歌モノとしても優秀。
「LACK OF...」という怪しげな呻きが超かっこいいです。

なんというか、むちゃくちゃI'veのような
下水道トランスが腹部でくるぐるうねりまくる低音が心地良い
是非ヘッドフォンで爆音で堪能したい一曲。

▶Tr.9 VISIONARY

Tr.1の『COME INTO CONFLICT』を歌モノに進化させたようなナンバー。
オーケストラヒットで大仰に展開するデジタルロックで
いろんな楽器の音色が色んな所から流れています。

この数学的調律を成立させる編曲はゼッタイ横山だろ
と思ってクレジット見たらやはり彼の所業でした。さすがやなぁ。
音感が研ぎ澄まされてないと出来ないテクニックです。

逆にLaputaファンならakiの声をもっと鮮明に聴かせてほしい
と思ってしまうほどのメロディ埋もれがもったいないとも言えます。

前衛芸術ですね。
多分ミニアルバム「Glitter」「Sparks Monkey」辺りは、
こういうのがやりたかったんだろうなと言う理想が見える曲


▶Tr.10 NEO HERO

おもちゃ箱から鳴りそうな音がふんだんにあしらわれた超ポップナンバー。
『POPular UPrising』並の突き抜け具合です。

歌詞もわざと子供っぽさを色濃く反映しておりまさにお遊び曲
でもakiはメロディアスしか作れない病気。
フレーズは一回聴けば覚えられるほど印象的です。

だからこそマヌケな歌詞も頭に残るんだけど。

この曲がここに入る意味。
それを思うとちょっと切なくなります。


▶Tr.11 ASIAN MOON

無機質な打ち込みリズムに二胡みたいな上モノが乗る
デジタルロウトランス。

ゆらゆらしたメロディラインが超絶不気味です。
でも穏やかにアップテンポなので絶妙に聞きやすい。

聴き心地は『xxxk animals』に近いかな。
途中はとっても『Kiss in the Clouds』。
明らかに後期Laputaを彷彿とさせる出来上がりです。

さっきの曲のあとに流れるので終末感もかなり強く
そういう映画のあとに是非採用してほしい楽曲です。

▶Tr.12 THE END

終わりの歌。
ボーカルエフェクト全開。
もはやサウントドラックレベルで、
ボーカルさえサンプリング素材の一部とでも言わんばかりです。

その割には歌詞のメッセージ性が強く聞き流せない単語が並んでおり
ハッキリ聴かせてくれよ!と思わずちゃぶ台ひっくり返したくなります。

ただそれをボヤかすことで、コンセプチュアルであることが伺える一品。

余韻を残す、という手法は実に効果的で、
次どんな作品を発表するねん
という期待がこれでもかと言うほどに高まりました。

くっ、まんまと掌の上で踊らされている……!


Afterword

まぁこの次に発表したシングルが変化球過ぎて戸惑ったのはまた別のお話。

とにかく発売当初から『華』と『LOVE MESSIAH』が好きすぎてね。
未だになぜこの曲がリードトラックじゃなかったのが不思議なんですが
特に以後の周年とかでも特別フューチャーされなかったので
akiにとっては当たり前に出てきた楽曲なんでしょう。

というか、akiに限らず
私の好きな曲がたいていベストの選考から漏れていることが多々あるので
製作者の自信作とは別の曲を好きになってしまっている可能性が高いです。
まぁそういう運命なんだろうな。笑

そして「メロディアス」を連呼してますが
音源を発表するごとに熟れてきて、
そこのメリハリが付けられるようになってしまいました。

個人的には全部メロディアスでも全然いいのに!
私の耳がおこちゃまなだけですね。すみません。


それにしても。
LaputaではなくakiのCDで4000文字。

これ本命のアルバムレビューしたら何文字行くんでしょうね
小松未歩なんて一曲に4000文字使ってますよ。笑
怖くてなかなか手を出せない今日このごろです。


次回の更新は2/10(木)です。
月一回のオリジナル作品解説の予定です。

よしなに。



最後まで長文お読みいただき誠にありがとうございました。 つっこみどころを残してあるはずなので 些細なことでもコメント残してくれると嬉しいです!