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アニソンは作曲家で聴け!♯8「白戸佑輔」(鈴木このみ、アイマス)


一昨日知人と会ってたのですが、
いろいろ事業を伸ばしてるようで活躍が目覚ましいです。

その会話の一つで「井上苑子ってわかります?」と聴かれまして。

いくつか音源を所持してたので
「知ってますよw結構好きです」と答えました。


何がきっかけで聴き始めたのかは覚えてなかったので
帰ってからちょっと探ってみました。

…………

あー。映画【ReLIFE】の主題歌だったからですね。

『メッセージ』という曲がそうです。
ケツメイシの『さくら』もカバーしてましたね。

ここで気に入ってたら、次のシングルがやけに牧歌的で
とても印象に残っています。

エール / 井上苑子

この異国情緒よ!!
この曲好きなんですよねぇ。

なぜシンガーソングライターの井上苑子の表題曲に
楽曲提供に至ったのかの経緯はわかりかねますが
改めて白戸佑輔の凄さを実感したシングルでした。


職業作曲家、白戸佑輔の軌跡

お笑いでも漫画でもそうだと思うんですが
創作で食べていける人は2つの人種に分かれると思います。

●才能をズバッと叩きつけて自分のセンス・個性で頭角を現す人。

過去にこのシリーズで取り上げている
Tom-H@ckや田淵智也は聴いて誰の曲かほぼわかるので
こちらに属するでしょう。

そして、菊田大介や前澤寛之のように
●緻密に計算され尽くされた技術力で構築していく人。

白戸佑輔は前者のセンスも持ち合わせた上ではありますが
それ以上に音楽理論と大衆性の両立を図って手広く手掛ける
いわば職業作曲家のお手本と言っていいくらいの活躍
をされています。


アイドルソングの名曲メイカー

秋元康にも大絶賛されている、といえばピンときますでしょうか。
必ずしもヒット曲と呼ばれてはいなくても
それぞれのユニットで「名曲」と推されているのをしばしば見かけます。

バンドワゴン / ラストアイドル

前触れ / AKB48

世界には愛しかない / 欅坂46

まぁ、いわゆる"アイドルっぽい"キャピキャピしたものではなく
その中でひときわ際立つシリアス曲に
その称号が充てがわれている気がしますね。

アイドルソングはそんなに熱心に収集してませんが
この辺りの楽曲は
「作曲:白戸佑輔」で見つけて以来
今でも再生して楽しんでいます。


もちろんかわいいだけじゃない、大人のアイドルもお手の物。

刹那の夜の中で / predia


それまでの経歴を辿れば
黎明期のニコニコ動画のはるかっか(のヮの)の代表曲に辿り着きます。

乙女よ大志を抱け!! / 天海春香(CV.中村繪里子)

実にアイマスらしい、というか春香らしい元気なアイドルソングです。

他にもいくつか提供しており
アイマス楽曲はこちらの楽曲が特に好み。

Legend Girls!! / 天海春香(CV.中村繪里子) 天空橋朋花(CV.小岩井ことり) 七尾百合子(CV.伊藤美来) 箱崎星梨花(CV.麻倉もも) 最上静香(CV.田所あずさ)


女性向けでも気を吐いていて
【あんさんぶるスターズ】にも提供しています。

SUPER NOVA REVOLU5TAR / 流星隊

無駄に前奏がかっこいいですね。
アイドルユニットなのですぐにそれっぽい合唱曲に転調しますが。



アニソンのヒットメイカー

このようにアイドルソングを手掛ける一方で
私が個人的に押したいのが当然シリアス曲。

要所要所で、なんかやたらとかっこいいぞ、と思ったら
作曲者に名前を見つけてまたオマエか、と何度思い至ったことか。

そんな私が彼の名前を初めて認識したのが
本格的にリアルタイムで深夜アニメを視聴し始めた時期の
極初期の作品【断裁分離のクライムエッジ】でした。

君と二人 / YURI*KARI

もともと漫画原作のファンで
こんなマニアックな漫画がアニメ化されるんかい、と楽しみにしていて
そして花江夏樹に初めて触れた作品でもあり思い入れが強いです。

YURI*KARIのYURIのほうは、後に遠藤ゆりかとしてソロデビューし
声優やリアルバンドRoseliaのベーシストとして活躍するので
この時期から好んで聴いていた身としては鼻が高かったりします。


そんな彼の代表作も同時期に生まれましたね。

DAYS of DASH / 鈴木このみ

鈴木このみはかっこいい楽曲がもちろん好みなのですが
妙に耳に残るフレーズ満載で、ファンからの支持が熱い曲ですよね。
初期の彼女の代表曲だったと思います。

彼女には複数曲提供していて
他にも『夢の続き』『Love is MY RAIL』『歌えばそこに君がいるから』
等が白戸佑輔作曲です。

ストリングスアレンジまで手掛けてるかはその時時によるんですが
縦横無尽に走りまくる編曲になることが多いですね。


魔法使いの嫁】では
ZABADAKに対抗して(?)お得意の異国情緒を発揮しています。

Here / JUNNA

アコースティックギターとカスタネットのフラメンコ感
笛の音やストリングス重奏がたまりません。
JUNNAの持つ喉を開いて歌う太い声との相性が抜群です。

三拍子なのにバラードで収まりきらないテンポ感が希少かも。
あまり聴かないリズムですよね。

JUNNAにもおそらくメインコンポーザーとして携わっていて
『狂ったカンヴァス』や【カケグルイ】の『コノユビトマレ』と
スリリングな楽曲担当といった具合です。


セントールの悩み】EDは緊迫感たっぷりの
疾走シリアス楽曲で超絶かっこいい。

Edelweiss / 亜咲花

亜咲花の伸びのある歌声を存分に活かしており
達者な英語の発音も相まってこちらも邦楽とは一線を画する名曲。
亜人萌えアニメのEDとは思えない知性溢れる作品です。

フィンランド系統のサウンドを思わす音作りが
これまた牧歌的とは違った異国情緒を感じさせます。

余談ですがJUNNAも亜咲花も若干二十歳未満という恐ろしい才覚ですよね。


知性と言えば小難しい設定のSF伝奇アニメ【ISLAND】主題歌も
アニメの夏らしい爽やかさで素敵です。

永遠のひとつ / 田村ゆかり

田村ゆかりはアイドル声優の走り(?)だと思うので
やはりアイドルに提供するような曲調を併せてきますよね。
お手の物、という感じです。
爽やかさに紛れてきらびやかに舞うピアノの間奏とか超キレイ。


そんなの僕じゃない。 / 下地紫野

すのはら荘の管理人さん】ED。

やはりこちらでもストリングスと飛翔するピアノが流麗ですね。
キメ部分を意識しているのか
必ずどの曲にも勝負フレーズが存在している気がします。
メリハリ、とでもいいましょうか。


作曲するならフィールドを選ばないのか
同人音楽でも名前を見かけます。

罪人に贖いを / stretta di mano

蜜纏いし白の姫君 ~Snow White~ / 葉月ゆら

ゴシックを作曲できる人、というのが同人界で広まってるのでしょうか。
特に葉月ゆらのゴシックコンセプトアルバムには
毎シリーズ名前を連ねている気がします。


最後に、bless4がファーストテイク風に収録した音源があまりに美しいので
こちらを貼って締めたいと思います。

月のもう半分 / AKINO & AIKI from bless4



Afterword

前回「知人と話したこと」か「アニソン作家について書く」と言いましたが
それを合体させてみました。笑

井上苑子さんの活動に今後(春頃?)サプライズがあると思いますが
それに知人が関わってます。
見かけたら応援してあげてください。


白戸佑輔の色としては
・アイドルソングという大衆性を持ちながら
・ケルトやゴシックといった欧風サウンドもお手の物
・とにかくストリングスとピアノ、ベースラインが美しい

というのが特徴です。

名前を見かけたら
とりあえず音源として所持しておきたいと思う作家の一人ですね。


そして、
白戸佑輔さんはネット上であけすけにその手法を明かしています。

なのでDTMを学びたい人は
まずはここを見るのが一番の近道かもしれないですね。

高度すぎて簡単にやってるように見えますが
プロでもこういうとこはソフトに頼ってるんだよという
ある意味安心感と、初手の打ち方がよくわかります。


ほんとはもっと書き加えたかったんですが
ちょっと急用ができたので今日はこの辺で。
午後まるっと消費するなこれは。

次回の更新は3/2(水)になります。

よしなに。



最後まで長文お読みいただき誠にありがとうございました。 つっこみどころを残してあるはずなので 些細なことでもコメント残してくれると嬉しいです!