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超高級デカフェを作ってみて

全ての始まりはちょっとした遊び心だった。世界で最も希少な部類に属すゲイシャ種の特別ロットをデカフェ処理したらどうなるだろう…詳しい経緯はこちらのnoteをぜひ読んでほしい。

想像以上のご反響を頂き、だったらお裾分けのテンションでSNS限定で募集して売ってみようと。募集締切日にふと申し込み数を見ると100件近くの申し込みがあって腰を抜かした。焙煎検証、パッキング、梱包、発送を全て今日終えて、溜まりに溜まった事務作業をこなしつつこのnoteを書いている。

明日には徐々に届き始めると思う。ゲイシャに至っては手持ちのロット全てを焼き切ってしまった。金額を想像するとゾッとするが、決して安くない買い物をしてくださった皆様のことを思えばベストを尽くすのは当然である。

海外からの反響も大きく、ササやジェームズなど世界の名だたるプレイヤーからメッセージの嵐だった。それはそうだろう。ゲイシャの中でも超希少ロットをデカフェ処理するクレイジーな人間は僕くらいなので。

ふと今回使用したパナマ・モーガン農園・ゲイシャ・コメット、というロットを試しにエスプレッソで淹れてみたが素晴らしい甘さと質感であった。

特に素晴らしいのは後口だった。長く続く甘い余韻。エスプレッソは非常に繊細なゆえに最も難しい抽出方法と考えられているが、数グラム抽出量が変わるだけで後口に収斂味を引き越したり、ビターが優勢になってしまう。

しかし、このロットに限って言うと甘さの余韻が長く続く素晴らしいショットをテキトーに淹れて抽出できた。なのでぜひコメットを購入してくれた方にはエスプレッソをおすすめしたい。ちなみに失敗すると大惨事なので日頃から淹れ慣れている人が良いと思う。

もしフレアエスプレッソがあれば理想だ。

なければマキネッタでも可。

"デカフェにしてはいけないシリーズ"第二弾も企画中なので、応募できなかった方、応募から漏れてしまった方はぜひ再度応募して頂きたい。井崎のTwitterをフォローして頂ければ。

思い切って時間とお金を投資して大きな収穫があったと思う。通常の生豆とデカフェ処理後の生豆の成分値の違い、180度異なるデカフェの焙煎方法と抽出方法の学び…もともとのきっかけは息子の誕生に際して美味しいデカフェがないよね、と言う話だったが、学びを深める行為はいつになっても面白い。原点に立ち返った経験だった。

ふと袋詰めをしているときに、コーヒーを始めたばっかりの自分を思い返した。あの時の僕は袋詰めをしながら心躍らせて自分の未来に思いを馳せていた。そして16年たった今も全く同じ気持ちで未来にワクワクしている自分がいる。真剣の前に不能なし。新年度も思いっきり突っ走ろう!

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