子供の写真を撮るということ

子供たちは、僕の小さな恋人のようでもあり、分身のような存在でもあります。まるで僕自身が人生を生き直しているのを近くで眺めているかのような、不思議な感覚があります。まだ幼い頃、母親が僕のことをずっと見つめていることがありました。僕はそれがとても不思議だったのですが、恥ずかしかったのか、あえて気付かないふりをしていました。

でも、今は母親の気持ちがとても理解できます。やはり僕も母親と同じように、子供たちのことを見つめていることがあるのです。自分の子供たちほど愛おしく、未来を描かせてくれる存在は他にはないと思います。彼らも僕が母親から受けた眼差しと同じものを感じてくれているだろうか? そうだといいなと思います。

そして、子供たちは、いつも僕の想像を越えた行動をします。僕のインスピレーションはそんな彼らの行動から生まれます。ときには僕の演出による撮影もおこないますが、ほとんどの場合、彼らのありのままの姿を撮っています。僕が伝えたいのは、そんな子供たちの「生きている姿」です。

僕が彼らを撮影するときに大切にしていることは客観的な視点です。近すぎず遠すぎず、彼らの後ろから見守るように写真を撮ります。それは観察するというのに近いかも知れません。僕は、そうすることによって写真に普遍性が生まれると思っています。彼らが「生きている姿」を誰かに伝えるには、その普遍性が不可欠だと思います。

人は、つい決定的瞬間を写真におさめたいと思うものですが、一方で、子供たちは常に笑ったり泣いたりしているわけではありません。むしろ、なんでもない表情をしていることのほうが多いです。僕はそいう日常の世界で生きている子供たちの姿を写真で残したいと考えています。そうすることで、時折見せる最高の表情が活きてくるし、ずっと眺めていても飽きない写真になると思います。

2012年1月5日
※同年に台湾で開催した初めての個展のためのステイトメントです。

My children are not only my little darlings but off-shoots of myself. When I look at them, I have a strange feeling - as if I am watching myself re-living my life. When I was a child, my mother occasionally gazed at me this way. Though I had some awareness of it, I pretended not to notice because I think I felt a little embarrassed.

But now, I can understand how she felt because I, too, sometimes gaze at my children as my mother did. Nothing illustrates the future for me like my dear children. I wonder if they feel the same thing I felt when my mother gazed lovingly at me. I hope that they do.

Children always act more than I expect. The inspiration for my photography comes from this sort of behavior. Though I direct some of my photographs, in most cases I take pictures of my children just as they are. What I want to show is their "living form". 

When I take photos of my children, the important thing is to maintain an objective perspective. Not too close, but also not too far away, as if I am watching them from behind. Something close to mere observation, I think. Obeying this rule gives the photos a universal quality. I believe that this universality is necessary to communicate their living forms to someone else.

Although photographers usually tend to want to snap pictures at certain specific moments, children don't smile or cry all the time. Rather, they don't have any special facial expression much of the time. I want to use photography to keep their living forms in that day-to-day world. This way, the highly expressive faces that they occasionally make will look more life-like, and will produce photographs that we will never get tired of looking at.

January 5, 2012
Translated by Tetsuro Nohara and Peter McCamus
https://www.flickr.com/photos/hamadahideaki/6635076551/

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Hideaki Hamada

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