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足りないもの

延長の後のPK戦でクロアチアに勝てるイメージはなかった。そこでいつもクロアチアは勝つからだ。

2010年、日本はトーナメントでパラグアイにPK戦で負けた。10回やったら4勝3敗3分にできる相手に、勝ちに行けなかった。

トーナメントは、グループリーグ以上に、負けないこと、失点しないことにプライオリティがおかれる。拮抗した相手ならなおさらだ。

クロアチアには10回やったら2回勝てるだろうか。 なにより、ワールドクラスの選手がいるクロアチアは、W杯で勝ち上がる。

10回やって1回も勝てないと思っていたドイツとスペインに勝った後に、客観的になることは難しい。

前半。思った以上に日本はボールを保持した。初めてセットプレーでゴールし先制した。1-0リードでハーフタイム。このワールドカップで初めての展開だ。

後半。クロアチアは繰り返し上げ続けたクロスが実り、ヘディングで得点した。1-1。

延長。日本は浅野を交えた有効なカウンターを発動できない。三笘のドリブルシュートが最大の見せ場だったがキーパーの正面だった。クロアチアもしっかり対策を継続していた。

この試合の流れでPK戦で勝てるイメージは持てなかった。

染みついた負け犬メンタルといわれようとも。

むしろ勝者の気持ちだった。満足だったのだ。

ロストフの最後のコーナーキックで、馬鹿正直に直接ゴール前に蹴り込んだときのような、モヤモヤはまったくない。

そして、この満足感が「足りないもの」なのだと思う。

#ホシムの言葉


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