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認知症予防には「聞こえ」の維持が大切です!

認知症になりたくない地球のおばちゃんです。介護の仕事も26年目。認知症の方がどんどん多くなってます。体は元気だけど脳は元気でない。目が離せません。認知症になると介護の時間がたくさん必要になってきます。
だから「認知症だけは避けたい」予防への取り組みには積極的な私です。
ところが、知らなかったのです! 「難聴は認知症の重大な原因」だったなんて・・。
近年、難聴と認知症との関連性についての研究が、急速に進んでるそうです。

2017年、国際アルツハイマー病会議において「難聴」は「高血圧」「肥満」「糖尿病」などとともに認知症の危険因子の一つに挙げられました。さらに2020年には、「予防可能な40%の12の要因の中で、難聴は認知症の最も大きな危険因子である」という指摘がなされ、ますます難聴と認知症の関連が注目されています。(ただし、先天性難聴や片側だけの一側性難聴はこの限りではありません)
今日では認知症患者の約9%が、難聴が原因で発症したものと推測されています。近年の国内外の研究によって、難聴のために脳に伝えられる音の刺激や情報量が少ない状態にさらされてしまうと、脳の萎縮は神経細胞の弱まりが進み、それが認知症の発症に大きく影響することが明らかになってきました。また難聴になると、人や社会とのコミュニケーションをつい避けがちになってしまうことも深刻な問題です。

東京逓信病院 『難聴と認知症の関連について』

この情報にたどりつけたのは、前回の記事『体だけでなく、耳のトレーニングもすることにした!』で、耳トレを始めたからです。ひと月のうち20日程、YAMAHAの『毎日耳トレ』(CDとテキスト)を実行しました。
〇内容は1ヶ月の日替わりトレーニング(1回1分20秒)
1週目➡リズム・音量を聞き取る。2週目➡高い音・低い音を聞き取る。3週目➡遠近感・左右バランスを整える。4週目➡集中・記憶音感を高める。と構成されています。自然の音が録音されていて、聞き方の説明もあります。はじめのページにはこう書いてあります。
「人は必要のない情報を無意識にシャットアウトします。すると、脳の刺激が減って耳がゆがんでしまいます。耳トレ!で耳のゆがみをなおすことで、聴覚刺激が脳に伝わり活性化します。耳トレ!は脳の体操なのです!」

「聞き方っていろいろあるんやな」だんだん興味が出てきました。聴覚に関する本を買ったり、図書館で借りたり、ネットで調べたりしているうちに、次のことを知ることができました。
①難聴が認知症につながる原因
②知らないうちに重度化する
③難聴を知る手がかりが耳鳴り

①難聴が認知症につながる原因
目は閉じることができますが、耳はふさがない限り常に音を聞いています。寝ている時も・・。いつも頭の中で常に何の音か判断していて、脳の活動量がとても多いのです。
難聴➡耳からの刺激が脳に伝わらない➡脳の活動低下➡認知症
難聴➡コミュニケーション能力の低下(社会的孤独)➡認知機能の低下➡認知症

②知らないうちに重度化する(放っておく人が多い)
難聴を放置した場合の認知症リスクは、軽度で約2倍、中等度で3倍、重度で約5倍になるという研究結果が出たそうです。
※放っておく理由
・自分が難聴であるかどうか気づきにくい。
・年だから、痛くないからと、症状が出てもそのままにしがち。
・難聴を病気と思っていない人がたくさんいる。
医者の言葉➡「少しでも聴力の衰えを感じたら病院に来てほしい」

③難聴を知る手がかりが耳鳴り
耳鳴りで知ることもできるそうです。
※耳鳴りとは
「聞こえ」は、耳が「音刺激」を「電気刺激」に変換することにより、それを脳が音として捉えるのです。難聴になると、今まで普通に聞こえていた音が聞こえないため、音が来てなくても「捉えろ!捉えろ!」と脳が過剰反応します。これが耳鳴りの原因。耳鳴りは耳の奥で音が鳴っているわけではなくて、「信号が来てないぞ、どうしたんだ」と聞こえなくなった状態を補おうとする脳の反応なのです。
※耳鳴りのセルフチェック
夜寝る前などになるべく音のない場所で、耳に意識を集中させます。そうすると「ジーン、ジーン」「キーン、キーン」といった周りの音とは違う音が聞こえる可能性があります。この耳鳴りを感じるようならば難聴が起きている可能性があります。

私も布団の中でチェックしてみました。右耳? 小さな小さな高い音が聞こえるような聞こえないような・・。そういえば父は難聴だったなあ~。

〇父の難聴と耳鳴り
父は89歳で亡くなりましたが、晩年は重度の難聴でした。認知症にはならなかったですが、被害妄想がひどく穏やかではありませんでした。
父は難聴になる何年も前から、しょっちゅう「耳鳴りがする」と言ってました。耳に綿をつめたりして、うっとうしい症状だったのでしょう。不快な表情をしてました。病院に行くのは嫌いだし、私もそれほど重大なことではないと思って、そのままにしてました。
その後は聞こえがどんどん悪くなっていきました。「年とったら、耳が遠くなるもんや」そんなふうに自然なことだと考えていたんですね。会話もやりにくくなってきます。耳のそばで大声で話しても、正しく伝わってるのかどうかわかりません。大事な話は紙に書いて見せ、返事を聞く。書くのが大変です。補聴器も受け入れてくれませんでした。

当時は「難聴になると周りが大変や」と自分側のことしか考えてませんでした。でも難聴を知ることによって、「難聴の人の世界はどんなんだろう」と思えるようになりました。
父は音のない世界で妄想がふくらみ、眠れないときは、不安や疑いなどで頭がいっぱいになってたのかも知れません。

〇最後に
認知症予防には「聞こえる」ことが大事だと知りました。今さらですが、耳へ感謝したいです。
「24時間音を聞いて働いてる耳さんへ。今まで無頓着ですみませんでした。過剰労働は避けるようにします。心地よい音に触れるようにも努力します。だから、この先も元気でお付き合いください。お願いします」


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