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産業用メタバースについて解説 ~ 二つの方向性

はじめに

私は、製造DX(工場DX)の仕事をずっとしてきて、2024年現在はそのような仕事を直接はしていませんが、たまにアドバイザーとして回答することはあります。

その際に、よくテーマとなるものの一つに「産業用メタバース(産業向けメタバース)」があります。

電力プラントや鉄道の保守点検の現場をデジタル上で再現する産業向け「メタバース」を開発する。

日立、NVIDIAとAIサーバーやメタバース開発 - 日本経済新聞 https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC190G40Z10C24A3000000/

ところで、本文中には

工場やインフラなど製造業の現場を仮想空間上で再現する「デジタルツイン」のシステム開発も進める。(中略)仮想空間上で設備や機械の導入などをシミュレーションできるようにする。

日立、NVIDIAとAIサーバーやメタバース開発 - 日本経済新聞 https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC190G40Z10C24A3000000/

とも書かれています。これらの違いを改めて考えていきましょう。


前提知識

産業用メタバースや工場内デジタルツインについては、昨年も一度考察しました。

その時の整理としては

  • 「デジタルツイン」や「CPS」という語は「メタバース」という言葉が流行るずっと前から存在していた

  • 「デジタルツイン」を「産業用メタバース」と呼び変えてビジネスしたがっている人たちがいる

  • ベンダーも製造業側もこの「言い換え」を受け入れようとしている

という内容でした。このあたりについては、上記の記事をご覧ください。

二つ意味がある?

そもそも、産業用メタバースという言葉自体がバズワードではあるのですが、いろいろ読んでいると、

工場系のデジタルツインは二つの意味で用いられる

ことが多いと感じています。

A: 工場まるごとメタバース空間に作る

一つは、今回の記事にあるように「工場自体を仮想空間に作る」というもので、これはシーメンスのようなメーカーだったり、アクセンチュアのようなITコンサルがそれぞれソリューションを提示しています。

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