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限界の先に未来がある・・・?

運動でも勉強でも、超えられない壁のようなものがあります。これを限界と言います。競技スポーツでは、世界記録というのがあって、それが人類の差しあたっての限界です。ただし、世界記録は頻繁に塗り替えられますから、まだまだ人類の本当の限界は見えていません。

勉強や学問の場合は、スポーツと違って限界を意識するのは難しいかもしれません。しかし、記憶力などに限定すれば限界はあるのかもしれません。ギネスブックに載っている円周率記憶の世界記録は、日本人の原口あきらさんが持っていて、2006年10月3日の9時に言い始めて、4日の午前1時28分に10万桁でやめた記録が残っています。私が記憶しているのは精々30桁なので、世界記録には遠く及びません。

世界記録的な限界は全人類の限界ですが、個人的な能力の限界というのもありそうです。足が速い短距離選手は、100mを10秒以内で駆け抜けますが、普通の人でも20秒くらいあれば100mを走り抜けることができます。つまり世界最速の人は、普通の人の2倍速で走れます。しかし考えようによっては、世界最速の人でも普通の人の2倍程度の能力しかないということです。

二日前に見た若者は、背中に”限界突破”と書かれたTシャツを着ていました。この若者が本気で何かの限界突破を考えていたのか、単なる”面白Tシャツ”のつもりで着ていたのかは知る由もありません。しかし、何かに向かって努力している人にとっては、限界突破は魅力的な言葉であることは間違いありません。

研究には必ず”新規性”が問われます。過去の人が発見した現象や事実を書いても、研究論文にはなりません。研究論文には、何かしらの”新規性”が求められます。そういう意味では、日々の研究は限界突破へのチャレンジの連続です。

私のような窓際研究者には、大きな限界突破は難しいですが、小さな限界突破を積み上げて行きたいと考えています。現在進行中のMT法プロジェクトも限界との戦いです。一つ限界を突破すると、すぐに新しい限界が見えてきます。しかし、小さな限界突破でも気付けばそれなりの限界突破になっていることがあります。

スラムダンクの安西先生は言いました。「諦めたら、そこで試合終了ですよ」。

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