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魔の川 死の谷 ダーウィンの海

 タイトルの3つの言葉にピンと来た人は、企業や大学で何らかの研究開発を経験したことがある人でしょう。画期的なアイディアを思い付いて特許を取得できたとしても、それを製品化して販売し、さらに事業化するまでには、3つの大きな障壁が待ち構えています。

 魔の川は、基礎研究から応用研究までの間の難関・障壁を指す言葉で、研究ステージと製品化に向けた開発ステージの間に存在する障壁です。研究を研究だけで終わらせないようにするためには、技術シーズ市場ニーズと結び付け、具体的な製品を構想する知恵が必要とされています。

 死の谷とは、元々は”技術開発が資金調達の問題から実用化に至らない状態”を指す用語でしたが、最近では、研究開発が次の段階に発展しない状況や、その難関・障壁となっている事柄全般を指す用語になっています。具体的には、研究開発の結果が事業化に活かせない状況あるいはその難関・障壁を指します。 

 ダーウィンの海は、事業化ステージと産業化ステージの間に存在する障壁です。事業を成功させるためには、競争優位性を構築し、多くのライバル企業との生き残り競争に勝つことが必要とされます。

 私の研究室では企業との共同研究で、多くの特許出願を行なっています。また、大学での独自研究を特許にした例もあります。ただし、製品化までに辿り着いた特許は殆どありません。現在、某企業と製品化に向けて共同作業を行なっている最中で、まさに死の谷のド真ん中にいます。

 理想的には、特許のロイヤリティでガッチリですが、現実はそう甘くはありません。死の谷から抜け出す、画期的なアイディアが降臨しないかなぁ。

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