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物質の四態

物質の三態というのは聞いたことがあると思います。これは、固体・液体・気体の3つの状態のことです。物質にエネルギーを加える、物質内部の原子が振動します。エネルギーが最も少ない状態が固体で、この時には原子間のつながりが強く、原子は自由には動けません。さらにエネルギーを加えると、原子間の拘束は緩やかになり、比較的自由に動き回れます。この状態が液体です。もっとエネルギーを加えると、原子はもっと自由に動き回れるようになります。これが気化で、気化した状態の物質が気体です。ここまでは、中学校の理科でも習います。

気化した物質にさらにエネルギーを加えたらどうなるでしょうか?。さらに大きなエネルギーによって、原子は電離してイオン状態になります。これがプラズマ状態で、第四の状態です。我々に身近なプラズマは、”太陽”です。太陽の大部分は水素で構成されていますが、その水素は太陽の熱エネルギーで電離しています。電離した水素は陽子(プロトン)と等価で、この水素のプラズマの一部は太陽風と呼ばれるプラズマ流として、地球に到達します。このプラズマと空気中の分子が衝突して出る光がオーロラです。

プラズマについて調べていたら、”ブドウのレンチンでプラズマ発生”という記事を見つけました。この現象はわりと有名なようで、その記事では実際のブドウを使って実験していました。2つに割ったブドウを、皮を部分だけ接触させて電子レンジを起動させると、プラズマが発生して発光するのが確認できます。ただし、危険が伴いますので、良い子はマネしないように!。この実験では、12台の電子レンジがお釈迦になったそうです。

ところで、プラズマクラスターという空気浄化技術があります。これは、シャープが開発した技術で、プラズマ放電により活性酸素を発生させ、プラズマクラスターイオン(?)を作り、空気中に放出することで空気中のウイルスやカビなどを除菌することができるそうです。ただし、これには懐疑的な意見もあって、プラズマクラスター自体に除菌効果は認められないとする研究報告もあります。

事の真偽は分かりませんが、個人的には疑似科学っぽい匂いを感じてしまいます。プラズマやクラスターといった、普段使われない英語字由来の技術用語を使うことで、「とても凄いんだぞ」と主張しているように思えるのです。本当に効果があるものなら素晴らしい技術でしょうが、そうでなければ不当表示(詐欺?)の可能性もあります。シャープさん、大丈夫ですよね!?。

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