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考古学は答えのない謎解きだ!

考古学はしばしば、謎解きに例えられます。そのため、『考古学の謎解き』や『考古学は謎解きだ」などのタイトルの書籍も出版されています。そもそも、数百年から数千年も前の話なので、かなり確実な証拠がない限り、本当のことは土壌が分かりません。また、今まで本当の事だと信じられてきたことも、新しい証拠が出てきたら一気に仮説が覆ることも少なくありません。

私は、地下資源の探査の他に、遺跡探査の研究もしています。こちらの研究はメインではないのですが、県や市町村などの地方自治体に頼まれることが結構あります。最近は、地中レーダ探査を中心に調査をしていますが、以前には磁気探査の研究もしていました。タイトル画は、磁気探査の測定風景です。

日本は水田などの耕作地が多いので、浅い地表部分の土壌が入れ替わることが多く、磁気探査には少し不向きです。ただし、欧米では磁気探査が住居址などの発見に成果を挙げています。昔の建物周辺には、雨水除けのために円形に溝を掘っていますが、その部分の形状が磁気探査で明瞭にわかる場合があります。これは、溝を埋めた土の磁性が違うためです。

考古学にも年代推定やX線による非破壊検査など、科学技術が寄与することも多くなりました。しかし、科学の力を使えない場合も少なくありません。例えば古墳などは、重要な古墳になればなるほど発掘は出来ません。”少しだけでも穴をあけて調べられればわかりそうなのに”、そうは出来ない場合がほとんどです。また、貴重な文化財をほんの少しだけ削れば化学分析できるのに、それも難しい場合がほとんどです。

大昔の事は、まだまだ謎に満ちています。謎だからこそ、興味がひかれるのも事実です。

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