見出し画像

バークレーの思い出#18 スタンフォード大学

 UCバークレーに訪問研究員として通った1年間に、2度ほどスタンフォード大学に行ったことがありました。UCバークレーは名門の公立大学ですが、スタンフォード大学は名門の私立大学です。例えは正確ではありません、日本で言えば東大と慶應大のような関係です。

 UCバークレーとスタンフォード大はスポーツや勉強のライバル校です。一年に一回、アメリカンフットボールの対抗戦があって、大いに盛り上がります。両大学にはスクールカラーがあって、UCバークレーは『紺(と黄)』、スタンフォード大は『赤』です。このスクールカラーを知らずに応援に行って、ひどい目に遭った留学生がいたそうです。その留学生は”赤いTシャツ”を着てUCバークレーの応援に行ったのですが、周りの学生から「何で赤を着ているんだ!」と詰め寄られ、赤いTシャツを脱いでUCバークレーの応援をしたそうです。男子学生だったから良かったものの、女子学生ならどうなったんだろうと、この話を聞いた時に思いました。

 スタンフォード大学は正式名称ではなく、本当な名前はリーランド・スタンフォード・ジュニア大学です。この大学の創設者は、政治家でもあったリーランド・スタンフォードですが、早逝した息子の名前を大学名に付けました。スタンフォード大学は、通称”ファーム(農園)”とも言われますが、元々はリーランド・スタンフォードが所有していた広大な農地(farm)に大学を設立したので、そのように呼ばれています。スタンフォード大はファームの名の通り、緑の多いゆったりした敷地に建物が立っています。

 はじめてスタンフォード大学を訪れた時は休日だったので、学生の姿は殆ど見ませんでした。そのため、余計に広々と感じました。私の専門は電気探査や電磁探査ですが、スタンフォード大学には有名な地震探査(弾性波探査)の教授がいました。たまたま入ったスタンフォード大学内の書店で、その先生の本を見つけました。日本では手に入れるのが難しい本だったので、購入しようと手に持ってレジに並びました。その時、スタンフォードの学生と思しき男性に声をかけられました。もちろん、英語で。「あなたは、この大学の物理探査の学生ですか?」。私はスタンフォードの学生ではないので「いいえ」と答えましたが、その学生は「それは良い本だ」と言って去って行きました。どうやら、私が持っている本を見て声をかけて来たようでした。

 二回の訪問は目的がある訳でもなく、何かのついでにふらっと立ち寄ったと記憶していますが、本当の目的がなんだったかは忘れてしまいました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?