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"上から目線"も悪くない!?

人を見下したような態度や言動、それを『上から目線』と言います。上から目線で人を見下すのは、当然やってはいけないことですが、そのような人たちがいるのは事実です。わざと上から目線で攻撃的な人もいれば、無意識に上から目線になる人まで、様々な人がいます。

上から目線の人に特徴的な心理には、3つのパターンがあるようです。1つ目は、”人の上に立つことで安心できる”というものです。これは、自分のコンプレックスの解消が根底にあります。このような人は、人から馬鹿にされたりなめられたりした辛い経験から、周りから見下されることを極度に嫌います。この場合の上から目線は、心理的な自己防衛です。

2つ目のパターンは、”小心者である自分の本当の姿を知られたくない”というものです。上から目線の人は自信過剰で自己評価が高いと思われがちですが、実は極度の小心者というケースも少なくないのです。つまり『弱い犬ほどよく吠える』という諺通り、自分に自信がないからあえて大きく見せようとするする心理が働いています。

3つ目のパターンは、”他人を憐れむ自分に酔っている”というものです。これは、自己愛が強いナルシストの場合にありがちなパターンです。ナルシストは、上から目線を自覚していないため、無意識に自分が上に立ち、どんな状況でも自分目線で行動します。

いずれにしても、上から目線は気持ち良いものではありません。他人への”上から目線”には気を付けているつもりですが、家族への”上から目線”には自分では気づかないことが結構あります。特に子供に対しては、”教えてやっている”という上から目線の心理が、無意識に出てしまいます。子供が小さかった頃は反論はありませんでしたが、最近は「お父さんは上から目線だよね」とよく言われます。ちょっと悔しいですが、グッと我慢して反省しています。

同じ上からの目線ですが、俯瞰ふかんとは、”高いところから見降ろすこと”や”全体を上から見ること”で、”ものごとの一部ではなく、全体を見る”という比喩的な意味で使われます。物理探査では、物性値の分布をコンター図という分布図で表現することがあります。コンター図は、地図の等高線や天気図の等圧線と同じものです。コンター図は、2次元的な表現方法ですが、これを3次元的に表現した鳥瞰図というのがあります。鳥瞰図は、鳥の目から見た俯瞰図で、鳥瞰図を使えばコンター図で判り難い高低の分布が明瞭になります。

上から目線で人を見下すことはいけませんが、上から目線で物事を俯瞰することは大事です。

鳥瞰図の例


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