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ファクトチェックは重要です

インターネットの情報には、まことしやかな偽情報が平気で載っていたりします。つい最近も、有名な芸能人の偽・死亡記事が書かれていたようです。多少の誇張や、故意ではない間違いなら同情の余地はありますが、誤った死亡記事は許容範囲を超えています。

YouTubeなどのネットサービスでは、閲覧数に応じて広告収入が得られます。そのため、このような偽情報で閲覧数を稼ぐ故意犯が出てくるわけです。また、わざと物議を醸す言動や行動をする”炎上商売”などもあります。

エンタメとして許される範囲のフェイクなら問題無いのかもしれませんが、学術研究の世界ではフェイクは厳禁です。学術でのフェイクを許さない仕組みとして、論文の査読があります。学術誌の論文は、作者が書いたものがそのまま掲載されることはありません。多くの場合、最低でも二人の査読者によるファクトチェックが行なわれます。

査読は、ファクトチェックの意味もありますが、内容がその学術誌にふさわしいものなのかのチェックや、読みやすさなどのチェックが行われます。投稿論文の内容が優れていて、読みやすさなどの表現方法も適切な場合、マイナーリビジョン(軽微な修正)後に正式に掲載されます。

論文の内容に疑義がある場合や、曖昧な表現(言い回し)がある場合には、メジャーリビジョン(大幅な修正)となり、図表の修正・追加、表現の修正・変更などが求められます。投稿者は、その意見に沿って修正を試みて再投稿しますが、受理されない場合もあります。

投稿論文が査読に回るのは良い方で、場合によってはいきなりリジェクト(受け入れ拒否/拒絶)ということもあります。学術誌の論文は、このような査読システムで健全性が担保されているわけですが、ハゲタカジャーナルと呼ばれる困った学術誌(?)が問題になっています。

ハゲタカジャーナルは掲載料収入だけが主目的なので、十分な査読が行なわれません。そのため、論文の正当性や質が十分に保証されないまま論文が公表されてしまいます。これが学術の世界では大きな問題となっています。

当然ではありますが、学術の世界でもファクトは重要です。

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