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リスクの回避 ヒヤリハット

『ヒヤリハット』という言葉を聞いたことがあるでしょうか?。ヒヤリハットとは、重大な災害や事故に直結する一歩手前の出来事のことを指します。片仮名で書くと何だか英語のような気がしますが、日本語のオノマトペの組み合わせです。

思いがけない出来事に”ヒヤリ”としたり、事故寸前のミスに”ハッと”したりすることが名前の由来です。資源産業と深いかかわりのある鉱山などでは、かなり以前から”ヒヤリハット運動”に取り組んでいました。これは、ヒヤリとしたことやハッとしたことを定期的に報告するという運動です。

私は大学3年生の時に、夏期実習(今でいうインターンシップ)でとある石灰石鉱山に行きました。当時、その鉱山は連続1000日以上の無事故記録を更新していました。しかし、私が行った最初の週でダンプトラックの横転事故があり、私も目の当たりにしました。幸い人身事故に名なりませんでしたが、うっかりした判断ミスが大きな事故につながります。

ヒヤリハットは、事故や災害につながる要因を特定して対策する貴重な機会であり、リスクマネジメントの観点から鉱山だけでなく多くの工場や現場で重要視されています。

ヒヤリハットの背景には、『ハインリッヒの法則』があります。ハインリッヒの法則とは、アメリカの損保会社に勤めていたハインリッヒが、5000件以上の事故の調査を経て提唱した労働災害における経験則です。具体的には、『1件の重大事故の背後には29件の軽微な事故があり、さらにその背後には300件の異常が存在する』というもので、”1:29:300の法則”とも呼ばれています。

ヒヤリハットの本質は、1件の重大な事故に潜む300件の異常になります。つまり、ヒヤリハットは単なる”軽微な異常”ではなく、その数が多くなれば重大事故につながるリスクが高くなることを示唆しています。

私は車通勤をしていますが、通勤途中では人間の飛び出しや、野生動物の飛び出しなどにも遭遇し、ヒヤリとしたことが何度もあります。幸い今まで事故は起こしていませんが、いつか起きるかもしれません。ヒヤリやハットが無いように交通安全を意識しようと、この記事を書きながらあらためて思いました。

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