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出口戦略が重要です。

令和3年度から今年度にかけて、MT法を使った地熱探査に関する大きなプロジェクトを進めています。大きなプロジェクトなだけに、大きな予算が動くのですが、その予算の使われ方には常に厳しい目が向けられています。また、プロジェクトの進み具合(進捗)を常に報告しないといけません。大型予算は大変ありがたいことですが、大きな予算には大きな責任が伴います。

プロジェクトの進捗を報告し、推進するために、プロジェクトの推進委員会というのが開催されます。この委員会では、プロジェクトが予定通りに進んでいるか、今後の研究開発の予定はどうなっているか、などが厳しく審査されます。また、専門家の推進委員による有用なアドバイスやコメントが、プロジェクトに生かされます。

令和5年度が最終年度なので、今年度限りでプロジェクトが終了するわけですが、プロジェクト終了後についてのことも話題に上がります。プロジェクトの最大の目的は、新しい探査装置の開発・製作ですが、モノが出来上がっただけで終わってしまっては、プロジェクトの意義は半減します。プロジェクト後の先にあるのは、新しい探査装置の実用化と、それを使った社会への貢献です。

推進委員会では度々『出口戦略』というキーワードが出てきます。出口戦略とは、元々は軍事用語で、損害を最小限に抑えつつ撤退するための作戦のことを意味します。しかし、最近では経済用語としても使われるようになっています。例えば、”日銀の量的緩和やゼロ金利政策の出口戦略”のように、経済や市場に大きなショックを与えないソフトランディング(軟着陸)を図る戦略のことを言います。

研究プロジェクトに関して言えば、”損害を最小限に抑えつつ”という部分には該当しませんが、損害を小さくするということを”利益を最大化する”と捉えれば、出口戦略と考えることもできます。プロジェクトには国の予算(税金)が投入されていますから、コストに見合う見返り(将来的な国の利益や社会への貢献)が求められるのです。

研究開発には様々な困難や問題が伴いますが、一つ一つ解決していく面白さがあります。できれば国内に留まらない、世界標準となるような測定装置を開発して、世界の地球環境問題などに貢献したいと考えています。

ちょっと気負い過ぎでしょうか・・・。

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