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野球の世界情勢 石原豊一 を読んだ

僕が、この本を知るきっかけになったのは、「野球消滅」の著者である中島大輔さんのTwitterでのつぶやきがきっかけだ。中島さんの「野球消滅」という本は、日本の野球についての熱意が詰まった素晴らしい一冊で、今の自分のアクションにもつながっている。

そんな中島さんは、プエルトリコのウインターリーグの取材もされていて、その情報発信はとてもわかりやすく親しみが込められている。そんな方も読まれて本ということで、手にとった本だ。

この本は、いきなりイスラエルからスタートするわけだが、このあたりからも著者の石原さんの意気を感じることができた。その国の野球の歴史と現在、他国との繋がり、聞いたことある選手の名前や活動にも触れられていて、決して堅苦しくないのだが、教科書のような完成度の高い本で、とても勉強になった。

その国の歴史がその国の野球文化を育み、その国の野球の今があり、それを知らずにむやみに他国のマネをすることはとても危険だと感じた。

メモ書き

イスラエル
ユダヤ人の国
全世界のユダヤ人たちは本人が望めば簡単にイスラエル国籍が与えられる
2007年中東初のプロリーグIBLが発足したが1シーズンで消滅 アマチュアリーグが継承

韓国
アメリカ人から野球が伝えられた
野球の韓国読みはヤグ
韓国プロ野球はアメリカ志向が強くファームの運営に現れている
二軍施設はMLBのスプリングトレーニング施設、ドミニカにあるMLBアカデミーを想起させるほど
高校野球部の数は70ほど

台湾
プロリーグCPBL
オーストラリア野球連盟との提携強化、日本球界との積極的な交流などで、国内の野球人気は回復傾向にある
1990年代後半以降は、アマチュア球界から直接アメリカへ渡る選手が急増。しかし、アメリカはポテンシャル重視で細かい指導を行われないことが多い為、20代半ばで振り落とされて台湾に戻ってきても、吸収力のなくなった体は細かな指導を受け付けないということがほとんど
台湾球界の投手不足は深刻

中国
1969年に始まった文化大革命のなか、資本主義国のアメリカで生まれ、日本で好まれている野球は、敵性スポーツと見なされてしまった
2009年にMLBデベロップメントセンターを開催
2019年 新リーグCNBL発足 リーグ運営をMLBに依存

キューバ
キューバアマチュア野球連盟の下、国内最高峰リーグのセリエを頂点としたシステム
素質を見込まれた者は小学生段階からエイデと呼ばれるスポーツ学校で専門的な教育を受ける
指導者は、コーチングの専門教育を受けなければ指導はできない
2013年9月にアメリカ以外の国への選手のレンタル移籍を認めた。キューバ政府が仲介者
キューバ人選手がアメリカでプレーする手段は亡命しかない

ドミニカ共和国
世界の野球選手製造工場
1977年に球団創設と同時にトロントブルージェイズが最初にアカデミーを置いた
アカデミーのチームによる夏のリーグ戦DSLは、マイナーリーグのルーキークラスに位置付け
野球をするということは、野球で稼ぐと同意義 学校に部活はないし、そもそも学校に行く者が少ない社会状況
プロ野球が3つあり、ウインターリーグLIDOM、DSL、サマーリーグ
メジャー球団にとってアカデミーにいる選手は大切な原材料
カープアカデミーの選手のほとんどはMLBアカデミーをリリースされた者 セカンドタレントの発掘
ドミニカ野球はアメリカ野球の一部となってしまっている

プエルトリコ
米国市民 MLBドラフトの対象となる ビザの心配もなくアメリカ人としてプレーできる
ウインターリーグはメジャー契約を失った者とマイナーリーガー集まる就活リーグと化してしまった

ベネズエラ
財政破綻と治安悪化
プロ野球選手が強盗の標的になる 成功をつかんだベネズエラ人は母国を離れてしまう
1989年以降MLB球団はドミニカ同様にアカデミーを次々と開設したが、近年の政情不安定などでサマーリーグ活動休止、2019年MLB機構は全選手のベネズエラでのプレーを禁止する発表をした

メキシコ
メキシカンリーグ、メキシカンパシフィックリーグ
少年野球はあるが日本のような学生野球はなく、才能を見込まれた選手はアカデミーに入り、アメリカ留学するか、セミプロリーグに参加する

カナダ
高校の体育で野球が教えられている
一部の高校はスポーツチームを保有している
アメリカの大学で小学金を受けているカナダ人野球選手の数は、アイスホッケーのそれを凌ぐ

イタリア
高校野球部は存在しない
クラブチームが60チームほど存在
優秀な選手は野球アカデミーに送られ寮生活
MLBが毎年夏の3週間弱トレーニングキャンプを行う

オランダ
アンティル諸島 キュラソー
トップリーグ フーフットクラッセ

オーストラリア
2001年からMLBのアカデミープログラムが開設
真剣に競技するにしても草野球として楽しむにしてもクラブチームに所属する このクラブチームにはプロ選手も在籍
草野球も硬式 草野球チームにプロ選手が在籍することも

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