日本10Xデザイン協会で事例発表させていただきました。

先日、発足した日本をスモールDX、小さなdXの積み重ねで変えていこうという一般社団法人日本10Xデザイン協会の発足イベントが行われました。冒頭には河野デジタル庁担当大臣も動画メッセージを寄せられ多くの方も集まり、成功裏に終わりました。

動画を寄せられた河野大臣

私も事例発表をさせていただきました。

せっかく発表原稿まで作ったので、ここで掲載させていただきます。事例発表モードなので若干「きれい」に書きすぎています。発表してみて、4年かかりましたがDXが平山建設で定着したことを実感しました。

みなさま、こんにちは。ご紹介いただいた平山建設株式会社、代表取締役社長、平山秀樹です。本日は、日本10Xデザイン協会設立、誠におめでとうございます。本日は、平山建設のDXへの取り組みを紹介させていただくとともに、その過程で気づいたDXの教育の大切さ、人を巻きこんで初めてDXが成功させられるというお話しをさせていただきます。弊社は1901年、明治34年に千葉県成田市で創業された建設会社です。成田のふるさとづくり、街づくり、建物づくりの仕事をしています。成田にあってよかったといわれる活動を目指しています。おかげさまで昨年創業120年、株式会社設立60周年を迎えました。記念して本も書きました。

93年から95年の米国留学時代にインターネット勃興を経験しており、以前からITの建設への導入に大変興味をもっておりました。2010年にはGmailを導入いたしました。しかし、それ以上のIT利用促進はなかなか社員には受け入れられませんでした。古い会社ですので、私が小学生の頃から勤めていてくれている大先輩の社員達からは、強い反発がありました。若手の社員でも、「現場は結局紙で動いてます。ITなんて現場で役立つわけないです」と理解してもらえませんでした。長時間労働が常態化している建設業界でしたが、2024年には建設業にも働き方改革法の適用が決定され、改革が必須の危機的状況でした。

2018年にEDL社の平塚先生と筑波大学を卒業した経営者の同窓組織、筑波みらいの会で知り合うことができました。お話を伺いDXを教育から推進するという姿勢に大変共感しました。そして当時EDL社が始めたGoogle Workspace、当時のG Suite、の教育プログラム、G-COSを導入しました。このG-COS教育導入の効果は目覚ましいものがありました。今まで社長の私がなだめすかして聞かせても進まなかったDX、社内改革が急速に進み始めました。

当時、社員に向けてDXをやるぞ!というプレゼンしました。「なぜ私達は忙しいのか?」を分析してみせました。電話、移動、手戻りなど、結局コミュニケーションミス、非効率さが問題なのだと結論づけました。そこで私が提唱したのは「てこを使った仕事」という概念です。両手でも持てないほどの大きな机でもてこを使っていれば指一本でも動かすことができます。同じように現場の担当者、会社のリーダーがいかに周りの人間を巻き込み、コミュニケーションをとり、正しい計画を伝えるかが大事だと説明しました。コミュニケーションの必要回数は大まかに関わる人の数の二乗に比例します。人数が増えれば増えるほどコミュニケーションが複雑になり混乱します。そこで通常の現場運営では現場代理人を決め、その指示をもとに全ての工程が動くようにしています。しかし、これでは現場代理人がいないと現場が動かないので、休みが取れなくなります。さらに、設計図等紙ベースの打ち合わせ、あるいはメールでファイルを送りあうコミュニケーションでは内容を修正しているうちに色々なバージョンが発生してしまいます。まさにコミュニケーションミスで大変現場が混乱をきたすことが多々ありました。そこでGoogle Workspaceを導入し、平塚先生のおっしゃる入り口デジタル、クラウド共有をすることにより常に一つのファイル、一つの情報を全員がアクセスして見るようにしました。これが、働きかた改革につながると社員を説得しました。このDXによる巻き込み、EDL社の教育により、工事担当者の慢性的な残業時間を3割減らすことに成功しました。100人あまりの社員の勤怠管理が3人日くらいかかっていたのが、30分で終わるようになりました。社内の稟議を含むほとんどの手続き、会議の形も変わり、効率化されました。コミュニケーションの形が変わると、こんなに会社が変わるのだと実感しています。

社内的にはEDL社さんの教育のお陰でDXが行き渡りました。しかし、私どもの仕事というのは型枠大工さんや、設備業者さんなどの協力会社さんと行っていかなければなりません。この1年あまり協力業者さんの巻き込みを始めました。一番成果があがっているのが、Google Workspaceのサイトです。簡単にホームページを作成でき、各種ファイルを埋め込める機能を使って協力業者さんと共有すべきスケジュールですとか、最新の図面などの情報を「一つのファイル」として共有するようにしています。まだまだ現場で完全には上手くいってないところがございますが、大きな改善になっていくと期待しております。社内巻き込みDXから社外巻き込みDXに発展してきています。

先日クラウドやBuilding Information Modelingという手法を使ったプレゼンで受注させていただいたT社様の本社建設プロジェクトがございます。T社さんとの打ち合わせの中で担当者の方がDXに興味を持ち、どうやっているか教えろと言われました。平塚先生をご紹介し、「Google式10X集中セミナー」を受講していただきました。また、父の代からのお仲間の古い古い建設会社が集まる勉強会で平塚先生にセミナーを開いていただきました。10社のうち3社がすぐにDX導入について話したいと応じてくれています。また社内でも認定デザイナーの資格を取得させています。まさに建設業においてもDXの関心需要が高まっていることを感じています。

こうした社内DXから社外DXという活動を促進、アピールするため経済産業省のDX認定を取得しました。まだ日本でも500社程度しか取っておりませんし、建設専門業に至っては13社程度、そのほとんどが大手ゼネコンです。取得できて大変ありがたいなと思っております。

さらに弊社のこうした取り組みがNTT東日本さんとの連携に繋がっています。NTT東日本さんが、飛島建設さんとの合弁でネクストフィールド社を作られました。建設現場のITサポートを行う仕事のお会社です。先日もNTT千葉事業所の執行役員支社長さんや、ネクストフィールド社の社長さんがわざわざ弊社にお越しいただき、連携について打ち合わせをしました。本当になかなか変わらない建設会社が平塚先生のご指導により社内から社外まきこみDXという形になってきたことは非常にありがたいと思っております。2024年の働き方改革の適用の日を、胸を張って迎えられるようにしたいと思っております。ご清聴ありがとうございました


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