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「失われた30年」からの脱却


ついに「アイツ」が・・・。


ついに、ついに、発表がありました。
ボクがまだ中学生ぐらいの頃に、センセーショーナルなデビューを果たし、以後、子供から大人までみんなが大好きな「アイツ」がとうとう...。

もう皆様お分かりですね。
「アイツ」とは、そう「ガリガリ君」です。
ガリガリ君がとうとう値上がりしてしまうのです。

ガリガリ君がデビューしたのは1981年。
発売当時は50円でした。
そして1991年に60円、2016年に現在の値段である70円へと値上がりしてきました。
8年間、値段据え置きで頑張ってきていただいたのですが、とうとう2024年3月から80円に値上がりすることが発表されたのです。
発売当初の42年前から60%の値上がり率です。

原因は「コストプッシュ」です。
新聞記事によると、包材が80%以上、原材料が60%以上とコスト増になっています。
もちろん物流費も上がっていることでしょう。

失われた30年、そしてこれから


このガリガリ君が値上がりしてきた間、日本はバブル経済が崩壊し、デフレの長いトンネルの真っ只中にいました。
「デフレ」とはデフレーション、つまり物の値段が下がり、お金の価値が上がることです。
日本がこの長い長いデフレ経済に喘いできたこの期間は、「失われた30年」とも言われています。

それがこの直近2年間では、消費者物価指数(CPI、総合ベース)は、22年度3.2%、23年度3.0%と上昇してきました。
そして今回発表された2024年度の物価上昇率は、政府は2.5%と予測しました。
もし3年間連続して2%超の物価上昇が続けば、1989〜1991年以来となります。

日銀が目標としている物価上昇率2.0%を超えるとなると、いよいよデフレ脱却なのかというと、これがそうではないらしいのです。
デフレ脱却を判断するための4指標があるのですが、うち2つの指標CP I、GDPデフレーターは上昇しているものの、需給ギャップや単位労働コストといった指標は未だデフレ圏を脱してはいません。

デフレ脱却の鍵は賃上げ


ここにデフレ脱却の定義があります。
『物価が持続的に下落する状況を脱し、再びそうした状況に戻る見込みがない』

潮目が見えてきているものの脱デフレ宣言を未だ行っていないということは、つまり日銀も政府も、また再び物価が下がる可能性があると見ているということです。

コストプッシュ型ではなく、デマンドプル型のインフレになるには、来春の賃上げがどうなるかです。

内閣府発表の試算では、所得増加率は3.8%となり、インフレ率の2.5%を上回ります。
しかしこれは大企業に限ったことです。
日本の99%以上を占める中小企業の中では、賃上げができない企業もあります。

鍵を握るには賃上げです。

今日はクリスマスイブ。
ガリガリ君ではなく、クリスマスケーキを頬張る日ですね。
メリークリスマス!

参考 日本経済新聞
12/21『ガリガリ君 80円に値上げ』
12/22『「脱デフレ」認定 2つの関門』

#デフレ脱却 #インフレ#経済#物価

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