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【書籍】ミドル層のビジネス基礎力を改めて見直すー山葉隆久さん『誰とでもどこででも働ける 最強の仕事術』より

 山葉隆久さんの『誰とでもどこででも働ける 最強の仕事術』(自由国民社、2023年)を読んでいて、「ミドル層のビジネス基礎力を改めて見直す」ということが、自分自身にも、また、人事としての自身のあり方にもあらためて重要であると思いましたので、再考察します。

新しい業務に取り組んだり、人事異動で職場が変わったり、昇進で立場が変わったり、転職したり、働く環境の変化に応じて、私たちは必要なスキルを習得しなくてはいけません。その変化が非連続であったり大きかったりしますので、習得したスキルのアップデートも求められます。これを続けるためには、自らを振り返りながら足りないものを認識し、常に学び続けなくてはいけません。この能力が社会人基礎力です。

『誰とでもどこででも働ける 最強の仕事術』(自由国民社、2023年)p79より引用


 ミドル層の転職におけるビジネス基礎力の重要性を深堀りすると、経済産業省が提唱する社会人基礎力の概念が、より具体的な行動指針として機能します。この社会人基礎力は、職場や地域社会で多様な人々と効果的に協働するために必要な基礎的な力として定義されており、主体性、問題解決能力、チームワークという3つの大きな柱から成り立っています。これらの力は、特に人生100年時代や第四次産業革命において、その重要性が強調されています。今日の労働市場では、単に専門的な知識や技術スキルを持つだけでなく、これらの基礎力を備えることが、個人のキャリア発展において極めて重要となっています。

ミドル層転職と社会人基礎力の具体的な役割

 ミドル層の転職市場においては、社会人基礎力の3つの柱が、転職成功の鍵を握っています。まず、「前に踏み出す力」は、新しい環境や技術への適応、主体的な行動、そして実行力を意味します。この力は、転職後の新しい職場で迅速に立ち上がり、変化に対応しながら成果を出すために必要です。次に、「考え抜く力」は、課題の発見と解決、創造的な思考を通じて新たな価値を生み出す能力を指します。これは、転職先で直面する予期せぬ問題に対処するために必須の能力です。最後に、「チームで働く力」は、コミュニケーション能力、柔軟性、ストレスコントロール能力などを含み、多様なバックグラウンドを持つ人々と協力して仕事を進めるために必要なスキルセットです。

社会人基礎力の強化方法

 社会人基礎力を強化するためには、自己反省と継続的な学習が不可欠です。自己の行動、考え方、仕事の進め方を定期的に振り返り、自分自身の強みと弱みを理解することが重要です。また、新しい知識を学ぶこと、新たな経験を積むことは、自己のスキルセットをアップデートし続けるために必要です。これには、オンラインコースの受講、専門書の閲覧、業界のネットワーキングイベントへの参加など、多様な方法があります。

キャリア発展と社会人基礎力

 社会人基礎力は、ミドル層の転職だけでなく、キャリアの長期的な発展においても極めて重要です。これらの基礎力を持つことで、個人は変化する労働市場の中で柔軟に適応し、様々な機会を捉えることができます。また、社会人基礎力はリーダーシップの発揮、チームマネジメント、プロジェクトの成功にも直結します。これらの能力は、職場内外での信頼の構築、効果的なコミュニケーション、そして最終的には個人の職業的成就に寄与します。

まとめ

 ミドル層の転職市場におけるビジネス基礎力の重要性は、経済産業省が提唱する社会人基礎力の枠組みを通じて、その重要性と実践的な応用がより明確になります。社会人基礎力の3つの柱は、新しい職場での即戦力化、キャリアの長期的な発展、そして変化する労働市場での競争力維持に不可欠です。個人がこれらの基礎力を継続的に強化することにより、自らのキャリアをより有意義なものにし、人生100年時代を成功裏に生き抜くための基盤を築くことができます。自己反省と継続的な学習を通じて、個人は自らの能力を最大限に引き出し、どのような状況下でもその能力を発揮できるようになることが、社会人基礎力の強化の鍵です。

ミドル層の転職とビジネス基礎力の重要性を象徴的に描いています。現代のオフィス環境で協力し合う様々な背景を持つ人々を描き、イノベーション、リーダーシップ、スキル開発の瞬間を強調しています。問題解決のための歯車、方向性と適応性のためのコンパス、チームワークのための相互に結びついたパズルピースなど、象徴的なイメージが組み込まれています。成長と継続的な学習、自己改善の旅に焦点を当てた、楽観的な雰囲気が感じられます。複雑なテーマを親しみやすく理解しやすいものにするために、柔らかく接近しやすい画風が使用されています。

【当書籍に関する補足】
 当書籍は6社において社員~役員というお立場の中で、いろいろな「できる人」に巡り会った著者が、できる人材とはということを考察し、大変有用な内容です。ビジネスパーソンが直面する多様な課題に対して、実践的な解決策と成長のための指針をです。読者にとって、単なるビジネスガイドではなく、不確実な時代を生き抜くための哲学と戦略を学ぶ機会を提供するものです。

 現代のビジネスパーソンが直面する不確実性や変化に対応するための指針を提示しています。ご自身の経験を基に、東日本大震災やタイの洪水といった危機時だけでなく、日常的なビジネスシーンにおいても求められるスキルやマインドセットを説くことで、読者に対して変化への順応性を高める方法を指南しています。

 特に、技術的スキルだけでなく、状況を迅速に把握し、必要に応じて新たなスキルを習得する柔軟性や、ビジネスの数字を理解し戦略を立てる能力の重要性を強調。これらは、個人がどのような環境下でも価値を提供し続けるために不可欠な能力です。

 また、ローム株式会社での実務経験を通じて、生産性の向上と効率的な働き方について具体的な事例として紹介しています。これには、目標設定、時間管理、チームワークの促進などが含まれ、これらのスキルがいかにして個人のパフォーマンスと企業の成果に貢献するかを明らかにします。

 さらに、自身が異なる業界や役職で経験した多様な仕事の状況から得た知見を共有し、変化に柔軟に対応するための心構えやアプローチを提案しています。これには、継続的な学習の重要性や、新しい環境やチーム内での円滑なコミュニケーション方法もあります。

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