見出し画像

【書籍】予測できない変化に翻弄されないためにはー「五計」を意識ー小島直記さん

 『1日1話、読めば心が熱くなる365人の仕事の教科書』(致知出版社、2020年)のp316「10月3日:人生の五計(小島直記さん 作家)」を取り上げたいと思います。

人間の弱さは予測できない変化に翻弄されること

 小島さんは60歳の初め、年の暮れに二階の一間で、人生におけるお別れの言葉を考えようとしたが、言葉が見つからず、最終的にはお酒に酔いしれてしまったエピソードを語ります。彼は当時、何か意味のある言葉を残そうと考えていたが、それが実現できなかったと述べ、人間の弱さは予測できない変化に翻弄されることにあると指摘します。

 小島さんは、人生を生き抜くための指針として「人生の五計」という教えを紹介しています。これは、朱新仲によって説かれたもので、以下の5つの計画から成り立っています。

五計の第一は生計です。いかに健康な毎日を過ごすかという意味での計画です。
第二の身計は、立身出世という言葉に近い。何をもって世に立つか、いかなる職業で、いかなる価値観の上で生きていくかという計画が身計です。
第三の家計は文字通り家計簿の家計です。どういう毎日の出し入れで生活するかという問題です。
第四の老計、第五の死計は文字通りの意味です。どういう老年を迎えるか、どういう死に方をするかという計画です。
この五つが「人生の五計」で、僕の人生の指針にしてきました。

『1日1話、読めば心が熱くなる365人の仕事の教科書』(致知出版社、2020年)p316より引用

生計とは

 生計とは、健康な毎日を送るための計画です。食事、運動、睡眠、休息、ストレス管理など、日々の生活習慣に関することを考えます。生計を立てることで、病気や怪我を予防し、体力や免疫力を高めることができます。また、精神的な安定や幸福感も得られます。生計を立てるためには、自分の体や心の状態を把握し、目標や方法を明確にし、継続的に実行することが大切です。まさに人生において、すべての基本といえるものでしょう。

身計とは

 身計とは、どのような職業や価値観で世に立つかに関する計画です。仕事、学業、趣味、人間関係など、自分の役割や目的に関することを考えます。身計を立てることで、自分の能力や興味を発揮し、社会に貢献することができます。また、自己実現や満足感も得られます。身計を立てるためには、自分の強みや弱み、好きなことや嫌いなこと、価値観や信念を知り、目標や方法を具体的にし、柔軟に対応することが大切でしょう。

家計とは

 家計とは、日々の生活の出し入れを計画することです。収入、支出、貯蓄、投資、保険など、お金に関することを考えます。家計を立てることで、生活の安定や向上、将来の備えや夢の実現ができます。また、お金の悩みやストレスも減らせます。家計を立てるためには、自分の収入や支出の状況を把握し、目標や方法を現実的にし、定期的に見直すことが大切でしょう。

老計とは

 老計とは、どのような老後を迎えるかについての計画です。健康、経済、社会参加、生きがいなど、高齢期に関することを考えます。老計を立てることで、自分らしく楽しく老いることができます。また、家族や社会の負担も軽減できます。老計を立てるためには、自分の老い方や希望を想像し、目標や方法を早めにし、準備や実行することが大切といえます。

死計とは

 死計とは、どのような死に方をするかに関する計画です。遺言、葬儀、墓地、遺品整理など、死後に関することを考えます。死計を立てることで、自分の意志に沿った死に方ができます。また、遺された人の負担やトラブルも防げます。死計を立てるためには、自分の死に対する考えや感情を表現し、目標や方法を明確にし、周囲に伝えることが大切です。これは、本当に難しいことですが、しっかりと考えなければならない、私自身も改めて感じたところです。

 これら「人生の五計」は、小島さん自身の人生における指針となっています。彼は、これらの計画を通して、人生における不確実性に対処し、より充実した人生を送る方法を提案しています。

この画像では、男性が二階の部屋で人生と人間の弱さの不確実性について深く考えている様子を表現しています。彼は手にワイングラスを持ち、周りにはノートと本が散らばっています。背景には、「人生の五計」を象徴する五つのシンボルが描かれています。生計を象徴する健康的なライフスタイル、身計を表すオフィススペース、家計を示す家族の予算計画、老計を暗示する公園を散歩する老夫婦、そして死計を意味する穏やかな夕暮れの風景です。このシーンは柔らかく内省的であり、人生の旅とそれに伴う避けられない変化の本質を捉えています。


1日1話、読めば思わず目頭が熱くなる感動ストーリーが、365篇収録されています。仕事にはもちろんですが、人生にもいろいろな気づきを与えてくれます。素晴らしい書籍です。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?