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【書籍】粘り強さと自己制御ー渡部昇一の成功哲学

『一生学べる仕事力大全』(致知出版社、2023年)のp158「ヒルティに学んだ心術が支えとなったー渡部昇一」を取り上げたいと思います。
 渡部昇一さんは1930年生まれ、 2017年に死去されました。日本の英語学者、哲学者。歴史論・政治・教育・社会評論家、上智大学名誉教授です。なによりもものすごい知識、見識に驚かせられます。

自己成長と自己啓発

 渡部氏は全てのテストで100点を取る「百点主義」を採用し、これにより他人の成績に左右されずに安心できると説明しています。人はどうしても比較をしてしまいすが、100点であれば比較のしようがありません。彼は疑問があれば常に質問し、理解するまで勉強するという徹底した姿勢を持っています。また、自分の意志力を鍛えることの重要性を強調し、休息の必要性も認識しています。彼はまた、時間を有効に使う方法についても触れ、小さな時間を利用して学習や読書をすることの重要性を指摘しています。さらに、彼は自己啓発についても言及し、なりたい自分を明確に持ち、それに向かって努力することの大切さを語っています。

粘り強さと自己制御

 目標達成のための粘り強さと自己制御の重要性を浮き彫りにしています。人生経験を通して、私は学んできたことと同様に、持続的な努力と自己規律が成功への鍵であると感じます。特に、自分が掲げた高い目標に対して一貫して取り組む姿勢は、人生のあらゆるステージで重要です。また、短い時間を有効に活用することの重要性も共感します。日々の忙しい生活の中で、小さな時間(スキマ時間)を見つけては、それを自己成長のために利用するのは、年齢を重ねても変わらない学びの原則です。

キャリア開発の視点で

 個人のキャリア開発や自己成長のための重要な要素が見て取れます。特に、「百点主義」という姿勢は、目標達成とパフォーマンス向上のための強い動機付けを示しています。私が人事として経験してきた中で、このような自己駆動型の学習姿勢は、組織にとっても価値があり、優秀な人材の特徴の一つです。また、時間管理と自己調整の能力は、効率的な仕事の進め方やストレス管理に直結し、これらは職場での生産性と直接関係しています。自己啓発に対するこのようなアプローチは、従業員のキャリア開発プログラムや研修においても重要な要素となり得ます。

個人の成長の視点

 達成に向けた献身的な取り組みを強調しています。私自身、日々の業務の中で、目標を達成するための努力や継続的な学習の必要性を感じています。著者のように、自己の理解とスキルの向上に対する強いコミットメントは、自分自身のキャリアの成長に不可欠です。また、時間の有効活用や休息の重要性は、仕事とプライベートのバランスを保つ上で役立つアドバイスです。自己啓発へのアプローチは、常に学ぶ姿勢を持ち続けることで、自分自身のポテンシャルを最大限に発揮するのに役立つでしょう。

最後に自己啓発の方法を。
それは結局、何になりたいかですね。先にじんじんといったが、どんな人をみて、じんじんするか、ということです。ぼくは高校時代、自分の恩師のうちをお訪ねしたら、老先生は和漢洋の本に囲まれて読書生活をしている。ぼくはあぁ、こういう老人になって年を取りたいと思った。これは英語の先生になればできることです。それで、ぼくは英語の先生になるということから、一度も思いが去ったことがない。もちろん、その先生の家に行った学生はたくさんいるわけですが、現実に英語の先生になったのは、ぼくだけです。

『一生学べる仕事力大全』(致知出版社、2023年)のp158「ヒルティに学んだ心術が支えとなったー渡部昇一」

 792頁にのぼる大作です。まさに仕事のバイブルとなります。名経営者のインタビューや伝説の名講演、一度きりの師弟対談、創業者同士の対談などが、54話を収録されています。



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