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試合ごとにルールが変わるRIZINは、わかりやすいよう統一ルールにすべき

RIZINで行われる試合は、試合ごとにルールが違うことがあり、いくつかのルールが混在してしまっている。

かなりの回数を観戦しにいっているが、なんの基準でこのルールになっているか明確な説明がないのでわかりにくい。

※体重差が10Kg以上あった場合は、軽い方の選手が4点での膝蹴りを拒否出来て、その際は試合開始時にアナウンスがある。

RIZINの試合時間とラウンド数

例えば、RIZINではGPの試合は1日1試合、ワンマッチでもトーナメントルールで5分3ラウンドだ。通常のワンマッチでは、PRIDEのルールを踏襲しており、10分、5分の2ラウンドが基本だと思っていが、ワンマッチでも5分3ラウンドの場合がある。この際の説明はない。

大砂嵐対ボブサップは、スーパーヘビー級なので3分3ラウンドだった。

肘打ちがありなのか、なしなのか

試合時間とラウンド数に加えて有効打についてが一番不明確だ。

RIZINでは、肘ありルールと肘なしルールが設けられている。肘があるかないかもアナウンスがされているかもしれないが、さらっとあり、なしみなたいな表現であってわかりにくい。

肘なしルールがあることについて、RIZIN実行委員長の榊原代表はRIZIN.11の大会後の総括会見の動画で記者からの肘ありルールについての質問について答えている。

肘ありかどうかはファイターのチョイス

動画を貼ったので全体を聴きたい人はリンクを開いてもらえばよいかと思うが、コメントを抜粋すると

肘打ちのカットで終わってしまう。肘打ちの動作は振れ幅が小さく、見ている方がわかりにくい。動きが地味なのにわかりにくく決着がついてしまう。

この3点が問題ということになる。

UFCやベラトールでは肘打ちあり

アメリカでは、アスレチックコミッションのユニファイドルールでMMAの試合は肘打ちありで設定されているので、UFCもベラトールMMAも肘打ちありで試合が行われている。

ただし、肘によるカット(まぶたが切れるなどの流血)で簡単に終わらないようゲージに入る直前のボディチェック時にカットマンがワセリンを顔に塗りたくって肘による攻撃でカットしにくくする。

カットしてしまった場合もラウンド間のインターバル中にカットマンが処置してくれる。これで致命傷になるほどの傷でなければ試合は続行出来るし、致命傷と判断されれば有効打なのでTKOだ。

RIZINでは肘ありルールでもなぜかワセリンを塗らないので、カットしやすい。肘ありルールの場合は、ワセリンを顔に塗ったほうがいいし、カットマンを用意するべきだ。

一方でサッカーボールキックや4点での膝はOK

ユニファイドルールではサッカーボールキック、4点ポジションでの頭部への膝蹴りは禁止だ。

UFCのダナ・ホワイトいわく、この2つはバイオレンス過ぎるからとのこと。アメリカでは長い時間をかけて総合格闘技を玄人の喧嘩から、MMAスポーツとしてきた背景からして、バイオレンスさ、野性的な戦い方は許されないのだろう。

肘打ちはバイオレンスなのか?

アメリカでは、肘がありで簡単にカットするし、出血量が多くても続行する。テレビではバンバン流れてるし、超人気スポーツだ。

一方でRIZINでは、サッカーボールキック、4点膝蹴りあり。肘ありかどうかは前述の通りファイター判断になっている。ということは、バイオレンスさの話しすれば、RIZINルールはユニファイドルールを超えた過激なルールとされる。

RIZIN.13のほとんどが肘ありルールだった。

那須川天心ー堀口恭司のキックボクシングがメインとして行われたRIZIN.13。この大会でのMMAマッチでは、肘ありルールがほとんどだった。※山本美憂、ボブサップ、朝倉未来の試合が肘なしルールで、他の試合は肘ありルール。

ボブサップのスーパーヘビー級の試合は規格外すぎて特別な試合だが、他の試合ではルールを統一しておいてもらわないとわかりにくい。

例えば、同じRIZIN女子ルール、49kg契約の試合でもアンディ・ウィン vs. 山本美憂は"肘なし"だったが、浜崎朱加 vs. 黒部三奈は"肘あり"ルールで行われている。同じ階級の試合で違いが発生していて、このあたりのわかりにくさは、見ている側に響かないポイントだと思う。

ファイターのチョイスであれば、肘ありルールによっていくのはでは?

例えば、日本人対強豪外国人の戦いであれば、ケージ、肘ありルールを基準に練習してきている海外の選手を呼ぶ場合、リングであることは選択の余地がないが、多くの外国人選手が肘ありルールを望むと思う。

あえて肘なしルールを選択する選手の方が少ないのでないだろうか。

RIZINを競技として成立させるために

どうしても他のプロモーションとは違い、MMAの競技というより、エンタテインメント色が色濃くなってしまっている。私が思うに、フジテレビでの地上波放送が前提のビジネスモデル依存がRIZINになっても変わらず続いていることに寄与している可能性が高い。

とはいえ、フジテレビ中心で運営していたPRIDEでは、初期はプロレスラー対グレイシーという明確な闘争がり、中期では階級制を設け、後期ではヒョードル、ノゲイラ、ミルコ、ジョシュなどの選手を揃え、加えて吉田、小川といった強豪外国人と戦える日本人もいた。これにより「世界最強を決めるリング」のPRIDEは、エンタテインメント色の強いMMA競技として成立していた。

あれから10年ほどが経って、MMAではリングからケージがスタンダードになり、1ラウンドは5分、肘打ちありが世界的なスタンダードだ。

肘打ち自体が映像として地味なのはわかるが、世界的に肘ありルールがスタンダードになっている以上は肘打ちありを統一ルールとし、更にRIZINではPRIDEでも採用されていたサッカーボールキック、4点ポジションでの膝を有効打とし、5分3ラウンドで統一したルールとすべきだ。

現状、RIZINでは階級制が正確に区分されているわけではないが、統一ルールでヘビー級までは同じルールで、スタミナの消耗が激しいスーパーヘビー級(120kg以上)に関しては、3分3ラウンドでの試合時間で良いと思う。

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