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60歳リフレクションその6(成長)

大学生の面接をしています。

入社希望理由を聞くと半数以上の方が「御社でなら成長できると思い志望しました」と言います。どうにも違和感があって、成長するならしてくださいとしか言いようがないのですね。
成長というのは「人間的に」という意味と僕は思っていて。

会社は君を成長させるためにあるのではないと言いたくなるが、あまりに多くの人が言うから、これは、ひょっとして、大学の就職課からアドバイスされてるのではないか?と思って言うのは止める。

ドラマでは上司が「もうこの仕事は任せられるな」と思って「お前も成長したなあ」と部下に言うことがたまにあるが、仕事ができるようになったという具体例に対してですね。
仕事を覚えると言う意味ではどの会社でも成長できるし「御社でなければならない」理由にはなりません。

これは「成長したい病」なのではないか?

ゆるい大企業がホワイトすぎると言う理由で辞める若者がたくさんいるらしいです。
これでは成長できないと思うらしいのですが、いやいや、ホワイト大企業辞めるの止めとけと思います。声を大にして言いたい。成長なんて与えられるもんじゃない。自分の意思や目標があればどこでも成長できるし、なんなら、ブラックにいるとその時間もないので成長できないんだぞ!と声を大にして言いたい。ホワイト辞めるの止めとけ!!!
ホワイト大企業の経験が全くない僕のやっかみも入っているかもですが。

成長ってなんでしょう。どういう状態を若者は望んでいるのでしょう。

僕が成長って言葉にしっくりこないのは、成長したという実感が全くないからです。
歳はとりました。映像・広告業界の端っこで働いてきましたが、成長というよりは経験を積んだというだけです。経験とは「様々なパターンを知っている」というだけで成長というにはおこがましいです。
歳とりゃバカでも経験は増える。

MOROHAのアフロさんが「さよならほやマン」のPRでこう呟いていました。うろ覚えで、正確じゃないかもしれませんが。

お前にはできるわけないよ絶対に無理だ、と言われたことをできるようにするためには無理するしかないんだ。

そうなんです、無理しないと手に入らないものはあるんです。
お前が東大に入れるわけないよ無理だよばーか、と言われたら1日20時間勉強するしかないんです、無理するしかないんです。20時間はブラック勉強だから止めなさい、1日8時間しか勉強しちゃいけませんと言われたら東大には受からないんです、普通の人は。
それでも東大に行けるかどうかはわかりません。でも、1日20時間勉強したという事実は残ります。他人は評価しないかもしれませんが自分にはなにか自信のようなものが残ります。それが成長なのではないかなと思います。
無理と成長はセット。
この「無理」はあくまでも自分の意思での「無理」です。やらされている「無理」ではありません。それこそブラックだし成長は無いと思われます。

因みに僕は20時間勉強したことはありません。思い返すと20時間勉強して東大目指してそのくらい勉強すれば早稲田くらいには入れてなんて妄想してしまいます。60歳になって気がついてます。あの時無理して勉強すればよかった。無理せずできる範囲でお茶を濁してきました。
ああ、やり直したい、戻りたい60歳。

自分の限界を少し無理して超える、限界が少し先に伸びる。その新たな限界を無理して超える。それを毎日繰り返す。
そこにしか成長は無いのかもしれません。

決まった。うん。いい終わりかただな。
ホッピー飲もう。

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