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2020.2.12 2000才になった私の娘へ


家の近くの映画館で「ハスラーズ」を見ました。ストリップクラブで出会った女たちによるギャング映画。男の酒にドラッグをこっそり混入させて、クラブに連れ込み、ハイになって意識が朦朧とした彼らのカードを切りまくる小気味良さに、彼女たちとシャンパンをあおって朝まで踊りたくなりました。擦り切れたブランドものの長財布から、少女の頃の自分の写真とディスティニーの写真を大切そうに取り出し、印画してある面と面をぴったり向かい合わせ、また大事にしまうラモーナのことを何度も思い返しています。

私たちはいつももう少し早く出会うべきでした。あのときのあなたのそばに私がいられたら。あのときの私のそばにあなたがいてくれれば。

神さまは間違いばかり起こすのに、まだ一度も私たちに謝らず、もう何千年も私たちより偉いようです。神さまを蹴落としてそこに座ってやろうとか、何もせずに毎秒2億円が口座に振り込まれるとか、そういうことを望んでいる訳ではないはずでした。育ててくれた祖母の首にいつか真珠のネックレスを掛けてあげたかったし、友達のたった一つの宝物みたいな子どもにドールハウスで遊んで欲しかっただけだし、家族から無視されて行くあてのない話したことはないでも泣いている女の子と、生きていきたいだけでした。


Netflix「リバーデイル」のベティ(リリ・ラインハート)と、Hulu「ハンドメイズテイル」のジャニーン(マデリン・ブリューワー)が、「ハスラーズ」では一緒に悪いことしてるのにも胸が熱くなりました。完結しない物語を走り続ける同志として、ベティともジャニーンとも、もう3年以上ここまで一緒に生きてきたようです。テレビドラマを生きる彼女たちの物語は、人々の生活により直接的な強度として織り込まれていくものなのだと思います。これからも、彼女たちに出会うために、生きていけるのかもしれません。

あなたのいる場所がまだ神さまのいる世界でも、あなたのそばにあなたの手を握ってくれる姉妹がいることを、心から願っています。

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