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【WBC】日本戦プレビュー?【メキシコ代表】

 お世話になっております。以前の競馬……もとい優勝予想で優勝支持率2%と低評価だったメキシコがプエルトリコを破って準決勝に進出しましたので今週初投稿です。

 ただ、単純なプレビューについてはある程度すでに出ているかと思いますので、競馬カスらしく前走準々決勝以前の戦いを踏まえ、展開予想からメキシコ・日本双方の勝ち筋と負け筋を考えてみようと思います。よろしくお願いします。

メキシコ側

これまでの戦いからわかること

 メキシコは開幕前から先発・第二先発にハイレベルな投手を集めている一方、救援陣に不安を抱えていることが指摘されていました。この点は概ね正解だったと言っていいでしょう。メキシコ代表の先発陣は5試合で20イニングを消化し、防御率こそ4.50とあまり振るわないものの、25奪三振/5与四球。三振を多く奪い、四球を少なく抑える理想的な投球を見せました。また、第二先発として複数イニングを任されたハビアー・アサド、ルイス・セッサ、エイドリアン・マルティネスも3人合わせて10イニングを1失点。極めて安定した投球を見せています。

 反面、救援陣は不安が残るのも事実です。救援陣のうち、抑えのジオバニー・ガイェゴス以外の投手がどの程度がんばれるかが大きな鍵になるのは準決勝でも変わらないように思います。

 メキシコにとっての朗報は準決勝での投球制限が95球まで緩和されることでしょう。もちろん所属チームの事情もありますから、本当に先発投手が制限ギリギリまで投げるとは考えにくいでしょう。ただ、大きな落とし穴になりかねない「第二先発以降、ガイェゴス以前」を短くできることがメキシコにとって大きなアドバンテージになるのは確かです。

 野手についても確認しておきましょう。切込隊長のランディ・アロザレナを皮切りにMLBのレギュラー・準レギュラー級が9人並ぶラインナップはおそらく参加国の中でも5本の指に入る充実度でしょう。チームOPSは20日現在.784で全体10位タイとそれほど目を引くものではありませんが、この成績はMLBでも上位の投手が次々に登板したアメリカ戦・プエルトリコ戦を含むことを忘れてはいけません。今大会で多く指摘されてきたプール格差を考えると、日本(OPS.996)との差はあってないようなものと見るべきかもしれません。

理想の展開予想

 以上の状況を踏まえると、メキシコは早い段階からハナを奪い、ペースを落として逃げた上で、最終直線でもうひと伸びして逃げ切る、現役の競走馬で言えばタイトルホルダーのような展開が理想的と考えるべきでしょう。

 要するに先行逃げ切りです。

 ただ、メキシコを競走馬で喩えるならば(喩えなくてええねん)タイトルホルダーのほうがより正確であるように思います。準々決勝を振り返りましょう。初回、パンサラッサプエルトリコに大逃げを許し4失点を喫し得意の展開に持ち込めなかったメキシコですが、冷静にフリオ・ウリアスからアサドへ継投。じわじわと得点を重ね、ついに7回逆転してそのまま逃げ切りました。先行・逃げ切りが得意だが、必須ではないという点は大きな強みであるように思います。

 
 一方で、先行する・しないに関わらずハイペースで早めの継投→逃げ粘るという展開は救援陣の不安要素を考えると不向きです。特に終盤追い比べ競り合いになり、1点差を争う展開になると押し負けてしまう可能性は高そう。とにかく自分のペースで試合を進め、ある程度リードを奪った状態で後半に突入→ガイェゴス投入で最後のスパートをかけ逃げ切るのが勝利のパターンになるでしょう。


日本側

これまでの戦いからわかること

 アジア・ヨーロッパでは敵なし。これを体現したのがグループリーグ、そして準々決勝だったといって間違いないでしょう。プールBでは長年のライバルとされてきた韓国を一蹴し、それ以外の中堅国を寄せ付けないままダントツで1位通過。準々決勝でもヨーロッパ最強国と目されるイタリアを危なげなく退けました。

 現在優勝可能性がある3チーム(メキシコアメリカ日本)のうち、完全優勝(無敗での優勝)する可能性があるのは日本のみ。OPS、K/BBなど各種指標のほとんどで1位に立っており、まさに完全優勝にふさわしい成績を残していると言えます

 ただ、メキシコの項でも少し指摘しましたが、今大会はプールごとの格差が非常に大きい大会。投手の平均球速やMLB契約選手の人数などを見ても、プールBは他のプールに比べてかなり力が劣る印象でした。準々決勝までの5試合すべてを完全ホームの東京ドームで戦っていたことも含め現在残している成績は少し割り引いて考えるべきでしょう。

 実際、MLBレベルの野手を複数擁するイタリア戦では結果こそ大差になったものの、大谷翔平が攻略されるなどあわやという場面がいくつかありました。プロスペクトとはいえMLBでのプレーがないドミニク・フレッチャーに1本塁打を含む3安打を浴びていることを考えても、さらにレベルが上がるメキシコ相手ではさらに苦戦することが考えられます

 しかし、それを考慮してもなお日本の戦力が優秀であることに疑いはありません。ラーズ・ヌートバー、近藤健介、大谷翔平、吉田正尚、村上宗隆とMLB級の打者が上位に並ぶ打線はこれまでの日本にない破壊力がありますし、先発投手陣の強力さは言うまでもありません。「相手を考えるとなんとも言えないが、強いのは確か」今の日本を競走馬で喩えるとするならば、かつて日本の競馬界を席巻した笠松生まれの芦毛の怪物・オグリキャップがぴったりかもしれません。

 
 オグリキャップのごとく地方競馬から中央競馬……もといアメリカの舞台でも相手を圧倒し、日本を熱狂の渦に巻き込めるかに注目です。

理想の展開予想

 展開を考える前に頭に入れておかなければいけないのは、メキシコの先発がパトリック・サンドバル(Patrick Sandoval、エンゼルス)であることです。サンドバルは昨季ついに覚醒したサウスポー。平均球速は149km/h前後と目を見張るほどではありませんが、複数の変化球を組み合わせて相手打者を翻弄します。特に対左打者に対しては被打率.151、wOBA.183で、30イニング以上投げた先発投手の中では最も優秀な成績。左の強打者が多い日本にとって、極めて難敵となるでしょう。

 したがって、日本はある程度序盤は控えた上で、2番手以降から得点を重ねていくほうが現実的と見るべきです。このような時注意すべきなのは競馬でも野球でもそうですが、逃げ馬に差をつけられすぎないこと。先行される分には構いませんが、終盤の入り口で追いつけないほどの差がついていればどうすることもできません。最後にもうひと伸びガイェゴスを残しているメキシコ相手であればなおのこと。とにかくついていって、メキシコの継投が始まる中盤〜終盤でじわじわとひっくり返す展開を狙いたいところです。

 イメージとしてはオグリキャップのような一瞬の末脚というよりも、同じ芦毛の人気者であるゴールドシップのようなロングスパートによる追い込みといった感じ。スターティングゲートで立ち上がって出遅れる展開だけは無しにしてほしいものです。

理想の展開↓

やめてほしい展開↓

 (もちろん、サンドバルを打ち崩せるのが一番ではありますが……)


まとめ

メキシコ→できれば先行して逃げ切り体制に入るのがベスト。ただし中盤以降にひっくり返す地力はある

日本→序盤は我慢して差し切りにいくのが現実的。もちろんサンドバルを打ち崩せれば理想だが。

 以上です。時間に追われて書きましたが、とりあえずメキシコが絶対的優勝候補なのは間違いありません。タコスとアボカドの準備はよろしいでしょうか。ソンブレロはどうですか?では、21日の8時にお会いしましょう。よろしくお願いします。

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