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店名に込められし想い(はあるのか)

 はじめまして。私は静岡県静岡市で
「ヒガクレ荘」という本屋を運営しています、
株式会社ハヒフヘ舗の小島と申します・・・。

新規のお取引をメールで依頼する際の、序盤の文章だ。
ここで大抵の人は、「ひがくれそう?のはひふへほ?」と困惑すると思う。
明らかにやり手のベンチャー企業ではないどころか、すっとこどっこい臭が漂う。
さらに姉妹店にヒトヤ堂・・・ひとやどう、
明らかに地名である「人宿町(ひとやどちょう)」を由来とした
喫茶・ゲストハウスと、急に安直な「喫茶コマガタ」(所在地が駒形通り)やらも
運営していると言うのだから、ますます謎が深まる。
 だが、決してふざけている訳ではない。
すべてハヒフヘ舗の社長、Mが名付けた歴とした会社名であり、店名だ。 
 
 初めて名付けられたのは、「ヒトヤ堂」である。
今から5年前、ゲストハウス兼喫茶店を開業するにあたり、
最大の難所に直面した。店名だ。念願の、自分の店。そこにかける熱量の高さからグズグズと決まらずにいたが、今日決めないと何も進まない(ロゴ、看板、HP制作の全てに関わってくる・・・)ということで、コメダ珈琲に居座って会議を開いた。共に共通していたのは、読めない英語は嫌だ、かっこいいカタカナもやめよう、お洒落すぎる日本語もNG。それでいて、まだこの世の中に存在していない店名。いくつもの案の中で、「これはちょっと、どうだかと思っているんだけど・・・」とおずおずと差し出されたのが「ヒトヤ堂」だ。
 人宿町(ひとやどちょう)という町名は、その昔、この地が宿場町であることに由来する。ゲストハウスを運営する上で、これ以上ない最高のヒストリー。
堂という漢字で全体的に締まっているのも良い、即決採用。
ただし、一つ問題はあったが。
「向かいの家は人宿町なんだけど、うちは七間町なんだよね・・・」

 その後も、新しい店舗が増えるたびに社長のMが捻り出して(独特の?)
店舗名が付けられる。
「なかよし荘」という建物名であったことから、荘を頂いてヒガクレ荘。
後付けで「本を読んでたら日が暮れそう」という時間を過ごして欲しい、とか何やら。(ちなみに、私が発案した「たのし荘」は不採用)
 「ヒ」がつく店舗が増えたタイミングでの会社設立。今後も広がり続けるために「ハヒフヘ舗」と名付けられた。これでまだ、「ハ」「フ」「ヘ」「ホ」が頭につく店舗が増やせると言うのだから、恐ろしい。
 「HOTELニューマスターチ」は前身の「ビジネスホテル・マスターチ」の名前をそのまま頂いた。日本語だと「ホテル新しいアゴ髭」と言う、奇妙すぎる名前。そして、ここでもまた髭の「ヒ」と出会うのだから、ハ行とは縁がある。
 さて、最後に残ったニューマスターチ 一階の喫茶室。
 これに関しては申し訳ないが、「わかりやすい」と言う以外の理由がない。マカロンとかオレオとかチョコといった名前を猫に付けてたのに、急にタマと名付ける展開ぶりである。

 こうして、着々と謎の店名がついた店を静岡に生み出し続ける、ハヒフヘ舗。今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。

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