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ひとりひとりに存在価値がある

僕が、自閉症でよかったと思うことのひとつに、普通の人が見過ごしてしまうような物の美しさに気づくことがあげられます。

僕は、走る車のタイヤの回転や、風の流れにそって草木がなびく姿、雨粒が地面に落ちる瞬間を目にした時、永遠の美を感じます。

そんなものを見て、何が楽しいのだろう、と人から思われることは、誰にでもあるのかもしれません。

自分がきれいだと感じるものを、人に理解してもらえないと、悲しい気持ちになります。

他の人が惹かれない美しさに心が揺り動かされる。それをわがままだと捉える人、かわいそうだと同情する人、自分も、その美しさを理解したいと考える人、人によって感想はさまざまでしょう。

自分は他の人に比べて、少し変わっているのかもしれないと思う時、後ろめたい気分になることがあります。

悪いことをしているわけではないのに、胸を張って、そのことについて話すことが出来ない。それは、自分に自信がないというより、他の人から、変な目で見られたくないからではないでしょうか。

美しいと思う気持ちは、自分で意識的にコントロールすることが出来ません。自分が出来ることは、何に魅力を感じているのかについて、人に言うか言わないかくらいだと思います。

「そんなものが美しいなんて…」という人に、それがどれだけ素敵かを、いくら力説しても、わかってもらうことは難しいでしょう。

だからといって、自分の感性を否定する必要はないのです。

「同じ」ということに、安心する気持ちも大事なのかもしれませんが、人は、違うからこそ、ひとりひとりに存在価値があるのだと思います。



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東田直樹

作家 東田直樹 オフィシャルサイトはこちら→ https://naoki-higashida.jp/
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