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社会正義・社会的公正のキャリア支援

社会の片隅にいて、本人ではどうしようもない事情から苦境に立たされている人々。
画一性に最適化された社会システムは、収まらない人を取り残す。

絶望に打ちのめされた多くの人々が、再びやる気を取り戻すために、
社会と渡り合うために必要なスキルを身につける。
そして、少しずつ自分の可能性を取り戻していく。
そうやって、自分の人生を切り開く。
就労の支援とは、そういう喜びを期待する。

一見、良いサクセスストーリーが描けそうだ。
しかし、社会がこのままで良いとするならば。

そもそも、なぜ画一から外れているだけで、苦しまなければならない?

本人たちが心から望むのは何か、本当に知ろうとしているのか?
知ってもなお、画一性に当てはまるように、導くのか?

何も煌びやかなキャリアや華々しい人脈を誇りたいわけでもない。
大金持ちになれなくとも、生きがいとやりがいを持ちたい。
出来る範囲で収入を増やして、ささやかで穏やかな心で過ごしたい。
生き続けるだけで必死なことから、解放されたい。

気の合う友人と連絡を取り、毎回同じような話をして笑いながら食事をすること。
TVのバラエティ番組を見ながら家族と夕食をとること。
日々の中に楽しみがある、ごく普通の職業生活日常生活を送りたい、願い。

いつから日本は、ささやかな当たり前を望むことが、縁遠い高望みになったのだ?

社会正義のキャリア支援が目指す理想とはなんだ。
遠大になってしまった、実に素朴な、幸せ。

ごく普通の仕事に就いて、
ごく普通の生活を送ること、
現状で描きうる最高の夢である人は、数多くいる。

しかし、社会の辺縁にいるが、見えないところにいるのではない。
見ようとしない我々がいる。
目の前にいる人が、何を悩んで、何に苦しんでいて、何を望んでいるのか。
目の前に困っている人がいることに、目を向けようとしなくなってしまった。
社会を構成する私たちが、心が貧しくなったのではないか。

社会正義のキャリア支援の取り組みは地道な取り組みになる。
目の前にある現実に気づくことから。
そのささやかな声なき声に耳を傾ける。
心の声が訴えようとしている、本音を聴く。

キャリアカウンセラー、キャリアコンサルタントとして学んだ人々よ。
様々な知識やスキルを、多くの領域で役立てることができるはずです。

既存の仕組みのほころびを取り繕うのではなく、
そのほころびから、本当に必要な手立てに作り替えていくこと。

その実践が求められている。
私たちは、今よりももっと多くの人の助けになることができる。
そう信じている。

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