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Ep21 リチャードと遥かなる旅

40年前、NYに妻と旅行した。ワシントンDCに友人夫婦がいて、Civil War(南北戦争)の名所を一緒に巡った。とても良い思い出だ。その時に乗ったのが、今はなき、ブリティッシュ・カレドニアン航空だ。スチュワーデスがとても親切だった。リチャードが遠い目をして振り返る。

キャセイパシフィックに勤めている日本人の知り合いがいたんだが、ちなみに彼女の旦那さんがYAMAHAの人で・・・Hamamatsuではウナギを食べるんだろ?良く知ってるだろ!・・・バンコクからインドに赴任になってな。最初は嫌がってたんだけど、日本円で給料をもらうわけだから、マハラジャのようなハッピーな生活を送ったらしい。

イギリスに一時帰国する時は、EVA航空と決めているんだ。そうそう、台湾の会社だ。スーパーエコノミーというゆったりとした座席があるので、それにしている。値段もエコノミーとほとんど変わらないんだ。リラックスして故郷の土地を踏むこと、それはとても大事なことさ。

時代を超えて、国境を超えて。エアラインに人は乗り、そして、故郷を離れ、その先には新しい世界との邂逅が待っている。思い起こせば自分にもある、思い出の、そして人生の転機となったフライトの数々が。リチャードのそれには、遥か遠く及ばないだろうけれど、人生のマイレージは、これからもまだまだ貯め甲斐がありそうだ。

画:久保雅子 www.masakokubo.com/

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