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実践に必要な4つのK

「おせっかいワーカーになろう㉖」

 5年間の見守り訪問を振り返って、改めて現場での実践力について考えさせられました。そのポイントを整理してみると「関わる」「聴く」「語る」「書く」の4つのKで表せるように思います。

 まず初めのKは何といっても利用者にしっかり関わることです。訪問活動は、とにかく子どもと保護者に面会できなければ目的を十分に果たせません。そのためには、利用者のことをもっと理解したい、寄りそいたいという積極的な姿勢が常に求められます。寄りそうためにはできるだけフラットな関係性を作って、気持ちに共感共鳴できるような工夫が必要です。様々な知識やスキルを取り入れ学び続けないとよい仕事にはつながらないように思います。 

 次に必要なKは、利用者の声に耳を傾けて聴くことです。何ごとも相手に尋ねずに考えや気持ちを知ることはできません。日常私たちは、相手のことを、きっとこういう考えだろうと推量しながら生活しています。しかし、見守り訪問では、尋ねてみないと分からないことだらけです。いかにしっかり聴けるか、言い換えれば、いかに話してもらえるか、が鍵です。短い時間に信頼してもらい、この人だったら話をしてもよさそうだ、と感じてもらえるかが、訪問員の腕の見せ所になります。

 そして3つ目に必要なKは語ることです。訪問した結果の報告を正確に語って伝えること、スタッフのケース検討会で起こったこと、感じたこと、工夫したアイディア、知っている専門情報等を語ること、そして意見を出し合って議論することが本当に大切だと思います。そのためには日頃から、スタッフ同士が気軽に「聴いていいですか」「それ、どうしてですか」「何でですか」と何でも質問し語り合えるような関係が作りたいです。

 最後4つ目のKは書くことです。訪問して現場で見たり聞いたりしたことを一時情報としてしっかり記録します。それだけではなく、自分が感じたり考えたことを文章にまとめることによって、自分の実践を客観的な目でもう一度確認します。現場では直感で対処したことも、何か意味が見えてくるかしれません。他のスタッフや別の現場の組合員にも役立つ考え方やスキルになるかもしれないのです。

 これからも、しっかり「関わる」「聴く」「語る」「書く」のサイクルを循環させ、見守り訪問を充実したよい仕事にしたいです。

         【労協新聞2018年「おせっかいワーカーになろう㉖」】

応援よろしくお願い致します。