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福岡市子ども家庭支援センターはぐはぐ

「おせっかいワーカーになろう⑭」

 子どもの安全が確認されたら、2度目の訪問はありません。保護者の悩みを聴いて相談機関に繋げることはあっても、児相に状況を報告したら終了です。特に心配な家庭は、その後の様子をフィードバックしてもらうこともありますが、直接関わることはないので、あの家庭はどうなったかなと、もどかしい気持ちになることも多いのです。

 地域懇談会《よかよかの森》で話す度に、困っている子どもや保護者を受けとめる場所がほしい、と思いが募ります。そして公開講座『子育てで福岡をつなぐ』で出会った東京都みなと子育て応援プラザぽっけに、とても刺激されました。「子育て広場」「乳幼児一時預かり」「トワイライトステイ」「ショートステイ」の4事業を1つの場所で実施していると知り、親子を総合的に応援できるんだ、と驚いたと共に、自分たちも何かしたい、と思うようになりました。

 そこで「福岡市共働事業提案制度」に応募することにしました。ふくおか事業所がショッピングモールで運営している「こどもプラザ(子育て広場)」を活用して、買い物するお母さんの子どもを預かる『ママのリフレッシュ託児事業』という企画を提案しました。担当課が子育て支援課から緊急支援課、また子育て支援課と回され、結果的に企画は通りませんでしたが、そのプロセスで、行政の考え方やニーズを把握し、見守り訪問や《よかよかの森》の活動も少し知ってもらえました。

 訪問を始めて3年目が終わる頃、福岡市から子ども家庭支援センターの公募が出ました。是非やりたいと、副統括の刀根さんが中心になって企画書を作りました。刀根さんは、みやざき子ども文化センター等いくつもの団体の設立と運営に携わり、子どもの虐待防止ネットワーク・あいちの事務局としても活動、子どもと家庭を応援する経験と知識が豊富で本当に頼れる存在です。

 難関は、物件探しでした。交通の便、相談スペース、駐車場、価格等の条件が揃う物件はそう簡単にはありません。やっぱり難しいかなと諦めかけていたら、子ども達のために自分のビルを使ってほしいという社長さんと出会えたのです。場所がほしい、という強い思いが天に通じたのかもしれません。企画も通って、育むと英語のHUGを重ねた、はぐはぐという名前になりました。待望の場所がもてたのです。

          【労協新聞2107「おせっかいワーカーになろう⑭」】

応援よろしくお願い致します。