121  Michael Jackson ☆ Heal the World

【MY FAVORITE SONGS 123(私は音楽でできている)】

 ときどきくたびれて覗かないときもありますが、私は毎日ウクライナ戦争にまつわる様々なニュースや情報に触れるようにしています。戦争を直視することなしに、戦争のない世の中を創造することはできないように思うからです。

 世界平和の実現は、夢や幻想かもしれませんが、未来は平和にになってほしいと思い、子どもたちが住む未来の社会は平穏で豊かであってほしいと願うことは、私なんかには至極当たり前の感覚のように思います。しかし、コロナとウクライナ戦争に襲撃された現在の日本の社会では「平和」を考えたり語ったりすることが、どことなく憚られるような空気が漂っているような気がします。

 かつてマイケル・ジャクソンさんは、そういう人々の思いを歌にして世界中に届けてくれました。1985年の「We Are The World」に続いて、この「Heal the World 」は1991年にリリースされています。もう30年以上前になりますね。世界中の人がみんなで歌って、少しずつ気持ちを合わせたり寄せたりして、夢や幻想である「平和」を、少しでも形あるものに変えようとしたように思います。あるべき未来、望むべき世界をみんなが思い描くことによって、厳しい現実と向き合っていけるのではないかと思います。

 21世紀に入り2001年の911以降、スパイラルのように歴史のゆり戻しが起きて、偏狭なナショナリズムの暗雲が世界を覆ってきたように思います。特に2009年にマイケル・ジャクソンさんが亡くなってからは、暗雲を振り払ってくれる歌を歌ってくれる人がいなくなって、みんなでの歌、みんなで合唱すること、平和を願うことが、できなくなって、歌を忘れたカナリヤになってしまったように感じます。歌は人間にとって最もプリミティブでパワフルな営為だと思います。そしてその歌を極めて理性的に方向、平和を希求するという、極めて理性的な方向にリードしたマイケル・ジャクソンさんのようなあり方が、どんな形でもよいので、復活してほしいと願うものです。

応援よろしくお願い致します。