ヒラリーのスピーチ 敬意を払うということ

8年前のアメリカの民主党の大統領候補者選びで、ヒラリー・クリントンがバラク・オバマに負けた時のスピーチが印象的で心に残っています。

鏡零人さんの和訳を参考に。

http://ameblo.jp/kagami-reito/entry-11464470170.html

このスピーチというのは、候補者選びで割れた党内をまとめ直すという意図があるものでした。

このスピーチを読むと、政党は一つのチームである、国ももちろんのこと一つのチームだという当たり前のことに気づかされます。

「皆さんご存知のように、私は――私は今夜ここにいます、誇りある母親として、誇りある民主党員として…(拍手)

…誇りあるニューヨークの上院議員として…(拍手)

…誇りあるアメリカ国民として…(拍手)

…そして誇りあるバラク・オバマの支持者として。(拍手)

我が友人たちよ、私たちが愛する国を取り戻す時です。皆さんが私に投票していても、バラクに投票していても、今こそ一つの目的をもった一つの政党として団結する時です。(拍手)

私たちは同じチームであり、誰もサイドラインの外側に座る余裕はありません。これは未来のための戦いであり、私たちが一緒に勝たなければならない戦いなのです。(拍手)」

私がこのスピーチで好きなのは、政敵・論敵であっても相手に敬意を払う姿勢です。共和党のジョン・マケイン候補に対してヒラリーはこう述べます。

「さて、ジョン・マケインは私の仲間であり友人です。彼は敬意と勇気をもってこの国に奉仕してきました。しかし私たちはこの八年間の更なる四年は必要としません…」

日本の野党政治家で安倍晋三や他の自民党の政治家に対してことをこう言える人はいるでしょうか。

与党であれ野党であれ、国の課題に向かっているという意味では同じです。respectが「尊敬する」とも訳されることもあって誤解しがちですが、相手に敬意を払うことは同じ意見になることではありません。

日本では党の分裂と合併が繰り返されていますが、相手に敬意を払うことなしに党をまとめることは難しいでしょう。また、長らく自民党に投票してきた有権者を巻き込むことも、また。

参議院選挙に向けた新しい動きに期待したいです。

実際のところ、アメリカの大統領選挙は非難の応酬で、両陣営が建設的な議論をすることを誓ったこの年の大統領選挙は例外かもしれませんが。

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