シリアに行った日本人民兵の記事に思ったこと

僕はありえん記事だと思う。

▼僕がシリアでイスラム戦士になった理由 「イスラム過激派」を経験して

http://www.christiantoday.co.jp/articles/20680/20160430/musulim-yoshihiro-uzawa.htm

シリア人でも、ムスリムでもクリスチャンでもないなんら当事者性がない自分がこのことを言うのは悶々とするが言わないといけない。

週刊金曜日とかなら1000歩譲って許せても、キリスト教系のメディアが、報道するのか、と。

知られている通りシリアの聖書の舞台であり、今でもクリスチャンが人口の1割を占める。僕はシリアの紛争を宗派対立だとは思わないけれど、スンナ派の中の一部のワッハーブ主義的な武装勢力がキリスト教を含む異教徒を攻撃しているのも事実だ。なんでそんなにシリアのワッハーブ主義について他人事のように書けるのか、と。

シリアは、マジョリティのムスリムとマイノリティのクリスチャンが、ムスリムの中でもマジョリティのスンナ派と他のマイノリティが、平和的に暮らしてきた。少なくとも、よそ者の私にはそう見えた。もちろん、ワッハービストもいただろうけど。

長きに渡る権威主義体制と不正に市民が声を挙げ、政権が過剰な対応をして国内が混乱に陥った時、国境を接するトルコやサウジから武装した者たちがワッハーブ主義を掲げ侵入してきた。旧宗主国の定めた国境はそもそもなかったと言って。

シリアの混乱を複雑にしているものの一つは、周辺諸国からやってきた民兵たちだ。かの有名なダーイシュの構成員の半数は外国人だと言われ、もはやシリアの紛争は、シリア人の問題ではなくなっている。いくら国境を人為的なものだと言っても、シャーム(大シリア地方)はマグリブ(北アフリカ)でもネジュドでもない。まして、日本で暮らすよそ者である私達が、シリアの人々の生活を脅かす正義はあるのか。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?