KSLカップで行われた画期的な試みを確かめて、個人的に検証してみました、というお話

地域サッカーチャンピオンズリーグも終わり、あとは沖縄SVとVONDS市原との入れ替え戦だけとなった社会人のサッカー。そんな中、関西では社会人のリーグ戦としては画期的な試みが行われようとしていました。その現場を見るために、12月の寒風吹き荒む滋賀県はビッグレイクまで行ってきました。

12/3 The KSLアストエンジカップ@ビッグレイクC 飛鳥FC 0-2 Cento Cuore HARIMA、レイジェンド滋賀 3-1 奈良クラブユース

12月のビッグレイクはとにかく寒い。さすがに雪は降らないが、琵琶湖の辺りにあるので寒風が吹き抜けていくのです。特に今回のCピッチは周りを囲む建物も障害物もないので、まあ寒かったです。晴れてたからまだ助かりましたが…(笑)
画期的な試みとは、予選ラウンドを勝ち上がった6チーム、招待という形でU-18年代のクラブユースチーム2チームの計8チームで、ファイナルラウンドとなる準々決勝を戦うこととなりました。つまり、社会人の大会にユース年代のチームが参加するというものです。しかも、招待と言っても単なるオープン参加ではなく、当然勝ち上がればユースチームでも優勝、賞金を獲得する可能性があるという、そんな夢のある大会です。
Jチームのようなプロではない関西リーグのチーム相手とはいえ、大人のチームとの対戦となるのでやはりユース年代だけのチームでは厳しいだろうということで、実はレギュレーションでトップチームの選手の登録もOKとなっています。しかも、その人数は最大5人まで。最大スタメンの半分近くを「大人」で構成することも可能なのですが。参加するクラブユースですがJクラブから1チーム、その他のタウンユースから1チーム。事前に予選を行った上で、共に上位1チームが出場するということになっていました。つまり、クラブによっては、恐ろしいくらいのビッグネームが名を連ねるかもしれない。そんなワクワク感さえ覚える、このレギュレーション。期待大ですね(笑)
しかし、この話を3月の時点で見た私は「Jユースはホントに出場できるのか?」という疑問を覚えました。というのも、準々決勝のある12月第1週は高円宮杯プレミアリーグとプリンスリーグの最終節のある週。万が一勝ち上がったとしたら、翌週はプレミアリーグのファイナルとプレミアリーグプレーオフと日程が被ってしまうのです。まあ、プレミアにいる神戸U-18はともかくとして、去年プレミアに昇格できず残留してしまった京都U-18、今年プリンスに降格したG大阪U-18とC大阪U-18にとって、この週とその翌週はプレミア復帰を賭けた大事な大事なアタックチャンス!!いや、大事な2週間なのです。そんな大事なタイミングに、確かに大人のチームとの対戦できるという、しかも公式戦という滅多にない機会とはいえ、チームにとってもっと大事な試合と天秤に掛けると当然、プレミア昇格の方が大事なのは考えなくても直感でわかります。かといって、下級生中心やBチームで臨むのもそれはまた違うとなると、どうするんだろう?と思ってました。
しかし、大事なことをすっかり忘れてました。今年から、奈良クラブとFC大阪が「Jクラブ」になったという事実を…。「ああ、そんな抜け道が…←オイッ!笑」ということで、もうその時点でJユースは奈良クラブだろうと確信していましたが、ホントにそうだったのでちょっとウケてしまいました(いちおう予選はやったそうですが…)

ということで、まずはその前に行われた第一試合から。共にリーグ戦はあまり良い成績ではなかった両チーム、Cento Cuore HARIMAと飛鳥FCとの対戦。飛鳥がシーズンが不調を終わったのがよくわかるような試合でした。とにかくプレーのリズムが遅く、HARIMAのプレスに簡単にボールを失うシーンが多く見られました。ボランチの志水と高瀬というベテラン2人がなんとかしようとしますが、どうにもならないといった感じでした。
先制点はCKをHARIMAの村上が綺麗に頭で合わせてのゴールでした。1点取られて動きが変わるかと思ったのですが、飛鳥の動きは一向に変わらず。その後もHARIMAがやりたい放題の展開で前半を終えます。

13分のCK。ニアにいたHARIMAの村上が頭で合わせると…
ボールはキーパーのはるか上を越えて…
ファーのゴールネットに吸い込まれます。
これだけ綺麗なセットプレーからのゴールも珍しい。
キッカーもゴーラーも天晴れな先制点でした。

後半、ややテンポが上がり前半よりも攻撃が出来るようになった飛鳥でしたが、60分に右からのクロスに走り込んだ山領のボレーシュートが決まって、HARIMAが追加点。残り10分くらいから、飛鳥がHARIMAゴールに迫るシーンが何度かありましたがDFが冷静に対応。そのまま試合は2-0でCento Cuore HARIMAの勝利。飛鳥FCは今年、ほぼ見せ場を作ることができなかった不本意なまま、今シーズンを終了しました。

追加点の欲しいHARIMAは60分、このクロスから…
真ん中で走り込んだ山領がズドン!
ボールはゴールネットに突き刺さりました。
一年に一度見られるかどうかのビューティフルゴールでした。

Cento Cuore HARIMAの話は前にしたので、今回は飛鳥FCのお話を少しだけ。今年の飛鳥はアルテリーヴォ和歌山からベテラン高瀬が、おこしやす京都からは攻撃の中心だった清川が加入。昨年以上の成績(つまり優勝)を狙うシーズンだったはずでしたが、終わってみれば5位。しかも途中までは降格の危機すらあったという、極めて残念な結果でした。
4月の開幕すぐのタイミングで見た時は、その高瀬が前線でボールを持ってそのままキープしたり、パスの出しどころを迷っているような印象がありました。この日の高瀬は、そんなにキープすることもなくパスをうまく散らしていたので、ようやくチームに馴染んできたのかな?というところでしょうか。清川はやはりボールを持つと相手にとって脅威ですが、その後が続かないのがやや勿体無かったです。今年は佐々木という、得点感覚の鋭いFWが入ってきたのですが、彼の攻撃も単発に終わることが多く、チームとしてどうやって相手の守備を崩すかが来年の課題となりそうです。
美濃部監督らしい、守備の堅いチームに仕上がりつつあるのですが、攻撃が出来ない、得点が取れないとなるとやはり優勝は難しいです。さらに、仮に優勝したとしてもその後の地域CLではさらなる得点力が求められます。今年優勝した栃木シティは、爆発的な破壊力を誇るチーム。堅守で関東リーグと地域CLの予選ラウンドを勝ち上がったVONDS市原も、最終的には栃木シティの後塵に拝することとなりました。そして、決勝ラウンド2位となったVONDS市原は入替戦で沖縄SVに延長線の末、敗れました。全国で勝ち上がるには、個人はもとよりチームとしての得点力の向上が必至でしょう。
チームとしての質は決して悪くないので、アルテリーヴォの一強になりつつある関西リーグで、2位となったレイジェンド滋賀やこの日勝ったHARIMA、そしてこの飛鳥FCが躍進しない限り、来年も関西からはJFL昇格なしということになってしまいます。そうならないためにも、飛鳥FCにはもっと奮起してもらいたいところです。

ボランチでパスを供給するベテラン2人。
52番は和歌山から移籍の高瀬。
こちらは6番の志水。
共に全盛期より動きは落ちたが、良い動きを見せてました。
前線で気を吐いた飛鳥FC17番佐々木。
自慢のスピードでDFを振り切ると…
体制を崩しながらもフィニッシュ。
キーパーの太田の必死のセーブに阻まれる。
佐々木らしい、実に良いシュートでした。
そんな佐々木とマッチアップするHARIMAの鵜飼。
フィジカルの強い、いいDFです。
HARIMAのDFからもう1人。2番の末政。
危機察知能力の高いCBです。
攻撃にも果敢に参加。22番伏木のクロスに走り込んでミドル。
積極的なプレーが目を引く選手です。
終了間際に交代で入った11番の藤田。
リーグ戦ではあまり出番がなかったベテラン。
来年はここぞという時の活躍に期待です。
そして後半ATきは交代で佐野監督がIN。
クローザーとして佐野監督が入るという贅沢な起用でした(笑)

第二試合は2位の過去最高位でリーグを終えたレイジェンド滋賀とJクラブユース代表の奈良クラブユースとの対戦です。オーバーエイジがいるとはいえらユース年代の子たちが大人相手にどこまでやれるのか?という点に注目でした。
前半の開始2、3分の動きで、奈良クラブユースもある程度やれるかな?という感じでしたが、すぐにレイジェンド滋賀が「大人感」を出してきます。7分、FWの小國がボールを持つと、そのまま重戦車のようにゴールに突進。ゴール左側からここしかない、というギリギリのコースを突いて反対側のサイドネットにシュートを決めて、あっけなくレイジェンド滋賀が先制します。

左からスピードに乗ってドリブルする小國。
キーパーの位置とコースを見極めてシュート。
狙い通りのコースを突いて、先制のゴールを決めました。
小國のストライカーとしてのセンスが詰まったゴールです。
まずは大人の実力を見せつけたレイジェンド滋賀でした。

その後もレイジェンドが攻撃を仕掛けますが、奈良クラブユースも徐々に反撃に出ます。特に目を引いたのは左サイドの28番の木南。スピードに加え、ドリブルのステップやテクニックもあり、レイジェンドDFも対応に苦慮します。徐々に攻撃の糸口を掴みだした奈良クラブユースは13分、右サイドから中に切れ込んだ9番宮後のシュートがニアに決まり、早くも追いつきます。

奈良クラブユース28番の木南。
左から内側に切れ込んで…
DFと1対1に。
タイミングよく仕掛けてDFを交わすと…
そのままシュート。
ボールはポストに当たり…
外へ大きく弾かれます。
ヒヤリとしたシーンでした。
しかしそのすぐ後、
今度は右から9番の宮後が同じく中に侵入。
DFを振り切ると…
コースを見極めて
思い切りのいいシュート!
これがキーパーの手のわずか先を抜けて
ゴールのニアに決まり、奈良クラブユースが追いつきます。
奈良クラブユースの歴史を作るゴールとなりました。

その後も奈良クラブユースはレイジェンド滋賀ゴールに迫りますが、キーパー天野を中心になんとか凌ぎます。

同点に追いつき、さらに攻勢をかける奈良クラブユース。
右からのクロスをキーパー天野が弾くも…
そのこぼれたボールを拾ってシュートを狙う。
キーパーとDFで挟み込むようにそれを阻止しに行きます。
一度切り抜けたものの、
さらなる波状攻撃の末、最後はシュートを打たれます。
が、ボールはわずかに枠の外へ。
行方を見送るレイジェンドDFと悔しがる奈良クラブの木南。

出来れば早く勝ち越したいレイジェンド滋賀は45分、右からのクロスをファーで折り返したボールを繋いで、最後は岡本がヘッドで合わせてゴール。いい流れで前半を2-1で終えます。

前半のうちに勝ち越したいレイジェンドは
サイドからDFラインを突破すると…
深い位置からクロスを出します。
ファーに流れたボールを…
岡本が折り返します。
中で繋ぐ間にDFの隙間に入った岡本のヘッド。
意表を突かれたDFは全く対応できず…
前半終了間際にレイジェンド滋賀が勝ち越します。
してやったりといったところでしょうか、
レイジェンド滋賀がリードして前半を終えます。

前半終了間際の失点で気持ちが落ちたのか、後半の奈良クラブユースはレイジェンドゴールに届かないどころか、ハーフウェイラインから先にもなかなか攻め入れない展開となりました。そして62分にさらにレイジェンド滋賀に追加点を取られてそのまま終了。当然と言えばそうなんですが、レイジェンド滋賀が3-1で奈良クラブユースに勝利。奈良クラブユースも前半のいい流れを後半に繋げられたら、もしかして…と思わせた、そんな試合でした。

62分、右から突破した33番永尾から
絶妙なクロスが入ると…
中に走り込んできた岡本が合わせてこの日2点目のゴール。
8番の中井とハイタッチして喜ぶ岡本。
サポーターにも手を挙げる余裕まで(笑)

成年と少年との公式戦。実際やってみての評価と課題について考察してみる

一度はユースチームに追い付かれるものの、地力を見せて勝利したレイジェンド滋賀。今年のKSLで最も躍進したクラブではないでしょうか。チーム過去最高位の2位でリーグを終えたレイジェンド滋賀。このカップ戦ではファイナリストを狙いましたが、準決勝でCento Cuore HARIMAに敗れ、3位で終了しました。しかし、たとえ3位に終わったとはいえ、クラブとして来年へのいい弾みとなったことでしょう。今年の主力のうち、キーパーの天野や3点目のアシストを決めた永尾、同じ滋賀県のルネス学園から新卒で入った樽井などがチームを離れますが、それでもそれに見合う新しい選手が入ってくることでしょう。監督も継続されるので、来年こそはアルテリーヴォ和歌山を脅かす存在となってくれることを期待しています。
来年は滋賀県での全社開催です。開催県枠で出場する可能性が高いでしょうが、全社でも活躍して「レイラックだけじゃない」というところを全国の人たちに見せつけてもらいたいです。

レイジェンドといえば小國と思いがちですが…
彼のプレーもよく効いてます! 11番の小川。
最終ラインをしっかり守る、長身DFの大野。
佐川滋賀Jrユース→G大阪ユースという
エリートコースを歩んだ逸材です。
サイドで攻守にわたって活躍する森川は福山大卒の新人です。

さて、社会人との公式戦という形でユースチーム代表で戦った奈良クラブユース。オーバーエイジとして奈良クラブのトップから2人スタメンに起用されていましたが、どちらもすでに契約満了の通知を受けた選手。さすがにリーグ最終戦が残っている状況で、トップチームでプレーする選手の登録は出来なかったのでしょうね…。しかも、ユース年代の選手との連携もあまり良いとはいえず、逆に冷静さを失って判定に文句をつけたりするシーンもあり、せっかくのオーバーエイジもあまり効果があったとは思えなかったのが残念でした。裏を返せば、それくらいユース年代の選手たちのレベルが高く、前半の決定機で勝ち越しを奪われていたら、リーグ2位のレイジェンド滋賀と言えども厳しい戦いを強いられた可能性が高いです。

オーバーエイジとしてプレーした33番の寺村。
精力的に動き回ったが、やや冷静さを失ったプレーも…
同じくオーバーエイジの27番国領。
チームと上手くフィットせずに終盤は孤立する場面も…

惜しむべくは、前半終了間際に勝ち越し点を取られたこと。前半のうちに勝ち越されたことでチーム全体が気落ちして、後半は前半のようなパフォーマンスが見られなかったのであれば、ユース年代特有のメンタルキープの難しさが裏目に出たということになるのですが、それが単に社会人のプレー強度に体力負けしてのパフォーマンス低下であれば、育成年代での体力強化が必要ということになります。どっちだったかを見極める意味では、前半を1-1で折り返してもらった方が良かったのですが…。

個人的には試合前から、ユース年代のチームでも社会人とある程度は遜色なく戦えるのではないかと思っていました。というのも、昨年の府県決勝の回にも書きましたが、 FC猛獣王に中学3年生の選手がスタメンで出場して、周りの大人と何ら変わらないレベルでプレーしているのを見ているからです。もっと言えば、海外で活躍、今は日本に戻ってきた宇佐美貴史や柴崎岳が中学3年の時、一つ上の年代のユースや高校生と一緒にプレーして、やはり何の遜色もないプレーを見せていました。もちろんその後の彼らの活躍からすれば当然、と思われるかもしれません。でも、そこそこ高いレベルの高校やユースチームの選手たちであれば、Jクラブとの対戦では無理でも社会人リーグレベルのチームとの対戦であれば十分に勝負になることが、今回の試合で証明できたのではないかと思います。

前半からいい動きを見せていた28番木南。
後半は消えてしまい、71分に交代となりました。
レイジェンド陣内で攻撃の機会を伺う10番川井。
特に後半はレイジェンドに押されて思うように攻めれず。
後半、倉島に変わって左サイドに入った13番五味。
レイジェンド永尾の再三の突破に苦戦していました。
奈良クラブのゴールを守る12番橋本。
ポゼッションサッカーらしく守備範囲の広いキーパーでした。

また、対戦したレイジェンド滋賀も貴重な経験だったと思います。試合前や開始当初は、どういうプレー強度で臨めばいいかが未知数でやりづらかったかと思います。そんな忖度を一切しない小國のゴールで先制はしたものの、チーム全体どこかしらの「やりづらさ」を感じながらのプレーだったように見えました。そこを突いて奈良クラブユースがのびのびとしたプレーで同点に追いつき、さらに勝ち越しまで奪う寸前まで行きました。さすがにレイジェンドの選手も「このままではヤバい」と思ったのか、普段のプレーを取り戻して勝ち越し、後半にも追加点を決めて勝利、なんとか面目を保ちました。たとえ相手がどんなレベルであっても、気を抜いていればやられてしまう。そんな当たり前のことを、レイジェンド滋賀の選手たちは肌で感じたことでしょう。普段の関西リーグではなかなか経験できない、貴重な試合だったのではないでしょうか。

頑なに1種2種のカテゴリーを分けるのも、そろそろ再考すべきではないか?

かつて天皇杯には2種登録、つまりユース年代のチームの参加が認められていました。2003年には、カレン・ロバートや増島竜也、石井秀典や佐藤優也など、錚々たるメンバーのいた市船橋が、天皇杯で横浜F•マリノス相手に延長PKまでいったことで話題となりました。
その後、接触プレーなどの危険なプレーで成長期の選手の体に大きなダメージを与えるとして、2種チームの天皇杯への参加がなくなり、社会人クラブは元よりJクラブとの対戦機会も無くなりました。当時の2種チームとの日程調整、その過密スケジュールぷりもその要因のひとつと思われます(9月の3連休の土曜日、月曜日に高円宮杯の予選ラウンド、その間の日曜日に天皇杯の1回戦という3連戦を強いられるチームもありましたね…)。
たしかにJ1チームとの対戦では明らかにプレー強度の差があるでしょうし、また選手生命を脅かすような大怪我をしてしまう可能性も高いと思われます。でもJFLやそれより下のカテゴリーのチームとの対戦であれば、そこまでの心配は想定しなくてもいいかもしれません。また、女子であればユース年代と大学生、社会人と同じ一つのリーグでプレーすることがほとんどで、それについて大きな問題が生じているとも耳にしません。男子と女子のプレー強度の違いは当然考慮すべきですが、もう一度1種2種混合の公式戦を復活させてもいいのではないでしょうか。もちろん、レギュレーションについては十分配慮する必要はありますし、それを地域リーグクラスのアマチュアカテゴリーに限定しておけば、ユース年代でも十分対応可能でしょう。そして、それが上手くいくようであればその次はJFL、次はJ3まで、と徐々に拡げていけばいいのではないでしょうか。

宇佐美貴史や久保建英といった若年で海外移籍した選手は、すでに中学生時代に飛び級で上のカテゴリーでのプレーを経験しています。また、Jユースであれば2種登録として早くからJの公式戦に出場する選手も多くいます。能力の高い、センスのある人材を育てるには、早い段階からそうした高いレベルや強度のある環境でのプレー経験が大事です。もちろん、全員を日本代表に、あるいは海外で活躍する、Jリーグでプレーする選手に育てるわけではありませんが、1人でも多くそうした環境に触れることでトップだけでなく、下のカテゴリーまで満遍なくレベルアップが図れるのではないでしょうか。
そして、選手のレベルアップと共に、いろんな選手がさまざまなチャンスを得ることができ、そして見る側も今よりもっとエキサイティングで楽しいサッカーが見られる、触れられる。そんな機会がもっと増えることとなるでしょう。そうなる将来が早く来ることを期待しています。

最後に一言。来年以降もKSLカップにユースチームが参戦するのであれば、出来れば決勝トーナメントではなく予選ラウンドから出場させてもらいたいですね。1試合だけで終わるのではなく、少なくとも3試合経験できるようになればもっとその価値が高まると思うのです。日程調整などが大変かもしれませんが、出来ればそうして欲しいです、という細やかな要望でした(笑)


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?