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うつ病の基礎知識を知る〜私の場合との比較

私は現在、人生で2度目のうつ病を患っています。

幸い、症状は少しずつ軽快しており、前向きな気持ちを取り戻しつつあります。

どのような病気にも言えることですが、自分自身や身近な人が病気のことをどれだけ理解しているのかは重要なことです。

また、現在の状態が軽快しているのか、悪化しているのかを知ることも今後の対応を決定していく中で重要です。

ここでは、うつ病の基礎知識をわかりやすく身につけていきます。

そして、うつ病を患った私の場合と比較し、症状は人それぞれだということも合わせて知ることができる場所にします。

うつ病の診断基準

以下の症状のうち5つ以上が2週間の間に1日中ほとんど毎日存在。
①または②は必須。

①抑うつ気分
②興味または喜びの著しい減退
③体重の増加または減少、食欲の減退または増加
④不眠または過眠
⑤精神運動焦燥または制止
⑥疲労感または気力の減退
⑦無価値観、罪責感
⑧思考力や集中力の減退
⑨自殺念慮または自殺企図
出典元:DSM-5(American Psychiatric Association, 2014)

教科書的にはうつ病相のみを示し、発症には遺伝的要因が推測されるが、原因不明とされる内因性精神疾患です。

DSM-5では、気質的原因が認められる外因性や病前性格や環境が強く関与し不適応を起こす心因性も区別なく、うつ病と記載されています。

うつ病の原因

外因性
・脳卒中後うつ状態などの神経疾患
・糖尿病などの内分泌疾患
・循環系疾患
・呼吸器疾患
・自己免疫疾患
・がんなど

内因性
・ストレスフルな環境(職場・家庭・学校など)
・ライフイベント(進学・就職・結婚・妊娠・出産・転職・退職・介護・更年期・死別など)
・犯罪・震災に遭遇など

うつ病の罹患率・有病率

罹患率
・人口の3〜5%
・女性が男性より2倍多い
・発症年齢のピークは20歳代と40〜50歳代の2峰性

有病率
・12ヶ月有病率:2.2%
・障害有病率:6.5ないし7.5%
・うつ病を経験した人は15人に1人
・過去12ヶ月間にうつ病経験者は約50人に1人

私のうつ病症状

教科書的なうつ病症状は上記しましたが、私の症状をDSM-5と比較してみます。

①抑うつ気分、悲観的思考、イライラ、不安感
②興味の減退、好きなことへの意欲減退、人に会いたくない
③食欲増加
④睡眠障害(中途覚醒)、過眠傾向
⑤なし
⑥倦怠感、意欲低下
⑦自責感
⑧集中力低下、何も考えたくない
⑨わずかな希死念慮
その他(身だしなみを気にしないなど)

これらの症状が1年以上続いていましたので、うつ病の診断基準を十分に満たしていました。

現在も軽快はしているものの症状は継続しています。

うつ病患者への対応

あなたの身近な人がうつ病になることも十分に考えられます。

その時、どのような対応、援助をしたら良いと思いますか?

・十分な休息・休養を促す。
・脳の病気であるため、原因を追求しすぎない。
・心療内科・精神科への受診を促す。
・安心して療養できる環境を作る。
・心配しすぎない。
・励ましや活動を促さない。
・重大な決定は先延ばしにする。
・ストレス除去や緩和に努める。
・ほどよい心理的距離を保つ。など

うつ病症状は人それぞれですから、実際には相手に合わせた対応が必要です。

これが正解というものはありません。

様子を見ながら対応していくことが重要です。

家族の対応で楽になったもの・辛かったもの(私の場合)

楽になったもの

・「何とかなるよ。」と、仕事を辞めるように勧めてくれた。
・休息・休養を促してくれた。
・普段は普通に接してくれた。

妻は16歳年上ということもありますが、ドーンと構えてくれています。

病気への理解をし、普段通りに生活をしてくれていることは本当に助かります。

良き理解者が一番身近にいることに感謝しかありません。

辛かったもの

・妻が忙しく仕事をしているのを見ること。
・経済的援助をしてくれたこと。

妻が頑張って働いているのに、自分は何をしているんだという気持ちはやはりあります。

もともと、収入は妻の方が上でしたが、経済的援助をしてくれることには罪悪感や情けなさを感じました。

まとめ

うつ病に苦しんでいる方は、今一度、ご自身の状態をかえりみることも大切なのではないでしょうか。

この症状は楽になった、この症状は少しひどくなったなど、自分自身の現在の状態を知ることで見えてくるものは絶対にあります。

私の場合、幸い、ひどくなっている症状はなく、軽快しているもののほうが多くみられるので、少しずつ前向きな気持ちになりつつあります。

身近にうつ病で苦しんでいる方がいる場合は、今一度、うつ病を理解することで対応を考えることができるでしょう。

この記事が少しでも多くの方の参考になれば幸いです。

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