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どうしても生きてる/朝井リョウ

「目の前にある事象を目の前にある事象そのものとして受け入れた方が楽だ、という諦めのポーズさえ取らなくなったのは、いつからだろうか。」(p.7.8)
「おかしいのはあの人で、正しいのは自分。私たちはいつだって、そんな分断を横たえたい。健やかな論理に則って、安心したいし納得したい。」(p.34)
「なんだかわからないけれど、とても会いたい。」(p.47)
「思ってもいないことを書いた、卒業アルバムの"将来の夢"。」(p.64)
「何もかもが巡り、変わりゆく中で、唯一、誰にも曲げられず、何にも奪われないもの。それは、その人自身が築き上げた歴史と、そこから手に入れた技術だ。その人が築いた歴史がその人に宿す技術は、誰にも奪われず何にも削られず、どこまでも伸び、どこにでも届く。」(p.72)
「どこに向かって進んだって後ろめたさの残る歴史を歩み続ける以外に、この人生に選択肢はない。」(p.108)
「去年までは、肌着やシャツを温めておいたことに関して、ありがとうの一言があった。」(p.147)
「心の中で、言えないことが芽吹き始めたのはいつだっただろうか。」(p.224)
「大丈夫、と訊かれれば、人は、大丈夫、と答えるしかない。」(p.235)
「痛いときに痛いって、限界のときにもう限界だって、もう無理だって大きな声で言っても驚かない相手がひとりでもいる空間に、いたかったんだよ。」(p.241)
「心のままに泣いても喚いても叫んでも驚かない人がひとりでもいれば、人は、生きていけるのかもしれない。」(p.241)

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