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〜モリサワの歴史と文字の歴史を学べる〜 モリサワスクエア

デザインのイメージを左右する要素のひとつとして“フォント”があります。
数あるフォントの中でも特に「モリサワフォント」はプロのデザイナーが愛用していることでとても有名ですよね。
「モリサワフォント」は国内においてプロ向けフォント断トツNO.1のシェアと知名度を誇り、 また、そのデザイン性の高さ、バリエーションの豊富さでデザイン業界には欠かせない存在だといわれています。

話は変わって、近年ますます注目されている「ユニバーサルデザイン」。
多様性を認めすべての人が暮らしやすい世界を目指していくという考え方。
フォントの世界でもその考え方に寄り添い、年齢や文化、身体的障害などの如何にかかかわらず、誰にでも読みやすいように数多くのUDフォント(ユニバーサルデザインフォント)が開発されてきました。
このUDフォントにおいてもモリサワは充実のラインナップとシェアの高さで他社を圧倒しているといわれます。

今回機会があり大阪市浪速区にある「モリサワ」本社の中にあるショールーム“モリサワスクエア”を見学しました。
モリサワスクエアでは文字や印刷関連の貴重な史料をはじめ、書体・フォントの発展の歴史を辿ることができる内容となっており、デザイン関係の仕事をされてる方ならおそらく感動する場所なのではないかと思いました。
写真に収めたのはショールームのごく一部となりますがもし宜しければご覧くださいませ。


モリサワ本社ビルの5Fにある“モリサワスクエア”
(御堂筋線大国町駅より徒歩5分)


シンプルで洗練された美しい展示空間


小塚ゴシックや新ゴ、リュウミンなどの開発であまりにも有名な小塚昌彦氏の紹介


“黎ミン”フォントは開発に15年を要したとのこと


日本の各時代に起きた出来事に合わせて文字やフォントの歴史も紹介


モリサワの代表的なフォントを紹介。
ショーケースにはモリサワフォントが使われている本やパッケージがたくさん!


[写植機]
キーボードで文字を打つようになる前はビッシリと文字の並んだ文字盤から目的の文字を拾っていたんですね...


モリサワ創業者である森澤信夫氏の像と実用写真植字機


[電算写植機-1]
すごい数のボタンが並んでいます。近づいてよく見てみると...


[電算写植機-2]
1つのボタンに9つの漢字がありどの漢字を選ぶかは左側にある9つのテンキーボタンで選択。
使用者は頭の中にこの配列が入っていたそうです。まさに職人技!

モリサワの歴史を詳しく紹介する「History Zone」、文字や書物に纏わるコレクションを紹介する「Collection Zone」の大きく二つの空間で構成された“モリサワスクエア”では、モリサワがこれまでの長い歴史で培ってきたもの、いま現在求められていること、そして未来に向けて発信していくべきことが数々の展示品とともに表現。
印刷の歴史(活版印刷→写真植字機→電算写植機→DTP)を一通り見学し、今はパソコン一つで簡単にできる印刷物も、それまでは大変な労力とコストがかかっていたことがあらためて確認できました。

また、毎年のように新書体が発表されていますが、その開発はまずデザイナーの地道なレタリング(手描き)作業から始まるそうです。
日本語は欧米のアルファベットと違い文字数が比較にならないくらい多いのでそれはそれは途方も無い大変な作業なんでしょうね。。。
ちなみに新書体の開発は短いもので2年、長いもので10年ほどかかるらしいです!

日本で生活していたらそこら中で見かけるモリサワフォント。
モリサワフォントは私たちの仕事や社会を陰ながらしっかり支えてくれているんだなあと思う今回の見学でありました♪
(ちなみに説明してくださったスタッフの方がめっちゃ親切丁寧でした!)


[おまけ]
モリサワ本社ビルから歩いて数分の所に昔からある「カツヤ」のトンカツカレー。
いろんな野菜を長時間かけて煮込んだカレーは見た目以上にスパイシーでコクもしっかり!


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