12.何を食べてもロキソニンの味

何もかも腐り始めた漁港で
壊れた魚、折れたカモメ
ねじまき式の女王蜂が
最終列車の中でオルガンを弾く
ガードレールに絆創膏を貼って
電柱に包帯を巻いて
何を食べてもロキソニンの味
天国の扉は傷だらけで
世界は消毒液の匂いで満ちている
空から降った5億の林檎が
誰一人も傷つけなかったっていう奇跡
でも罪を背負った人たちの瞳には
それも映らなかったみたいだ
アカペラのゴスペル集団と道ですれ違う
「ポエジー、ポエ自慰、詩ノート、死のうと」
誰も知らない場所で通じ合う言葉
皿一杯の苺を
一瞬で消す魔法を彼女は知ってた
葡萄の悪魔が
空港でキャリーケースを引いてる
戦闘機が僕の心を飛び交う
未来はいつでもミディアムレア
君を抱きしめなければ
死ぬことについて考える羽目になる
死ってなんだ?
生きるってなんの意味があるんだ?
「愛」って山田かまちなら言うかな

確かに君と僕は話した、2時間半も
でも僕たちの存在とは別に
「話」という独立国が真ん中にあった

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