見出し画像

【詩】高円寺の朝

朝になっても眠らなければ
今日は終わらないという寂寥感だけで
目に染みる太陽の光とうなだれる
湿気た辛いベビースターと
床に散らばった缶ビールの山がくしゃっと
笑っているのか泣いているのか
時代遅れのいるのかギターつまびいて
Amの響きが妙に夏と絡まった
壁にかけられた革ジャンの香り
冷凍庫から勝手に出した
ソーダ味のアイスキャンディーを舐めて
隣で歯を磨いている葉っぱ
くつろいでいるけど覚醒している部分で
所詮、銃声も遠吠えに過ぎないと
一晩かけて語りつくした言葉も冷める
小さな恋のメロディのLP流して
ソファを庭に出そうと汗をかきかき
寝そべって目を閉じると
気持ちいい風が頬を撫でる
このまま商店街まで歩いていって
夕飯だか朝ごはんだか昼めしだか分からん
焼肉定食を食べにいかない?と
Y君がドクターマーチンの紐を結んでいる
一瞬で夏が溶けていく

いつも記事を読んで頂いてありがとうございます。フォローや、ハートマークで満足ですが、ご支援して頂いたら、詩集の制作費の足しにさせてもらいます!